受賞報告

2017年 6月 21日 コメントは受け付けていません。

小社より2016年9月に刊行された佐々木悠介著『カルティエ=ブレッソン 二十世紀写真の言説空間』が、比較文学・比較文化に関する最優秀の研究書に贈呈される第22回日本比較文学会賞を受賞いたしました。著者の佐々木悠介先生、おめでとうございます!
また、選考委員の皆様をはじめ、このたびの選考に関わられた皆様に感謝申し上げます。


書影カルティエ=ブレッソン
カルティエ=ブレッソン

二十世紀写真の言説空間
佐々木悠介(著)

判型:A5判上製
頁数:400頁+別丁24頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0197-8 C0072
装幀:宗利淳一
好評発売中!


20世紀最大の写真家の全貌

写真というメディアの美的価値を左右する言説において、つねにその中心にいた写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン。20世紀を代表する写真家はいかなる言説によって受容されていたのか? 写真をとりまく言説分析とイメージ分析のクロスジャンル的なアプローチによって新たなカルティエ=ブレッソン像を提示し、20世紀写真史を書き換える野心的な試み。

目次
序章 アンリ・カルティエ=ブレッソン、その神話と謎

第Ⅰ部 街頭への視線――無名写真家の夢の時代
第1章 一九三三年カルティエ=ブレッソン展をめぐって
第2章 一九三三年カルティエ=ブレッソン展の作品構成――新資料の発掘から
第3章 ドキュメンタリー写真のジャンル生成と街頭イメージの表象

第Ⅱ部 美術制度とジャーナリズムの狭間で――〈決定的瞬間〉の時代

第4章 大衆の物語――マグナム・エージェンシーとその周辺
第5章 「ちっぽけなシュルレアリスト」――写真という舞台をめぐって
第6章 『イマージュ・ア・ラ・ソヴェット』の置かれた時代

第Ⅲ部 カルティエ=ブレッソン後の写真言説――ポストモダンの時代へ
第7章 次の世代の街頭写真――ソール・ライターの場合
第8章 フォト・ルポルタージュの現在――レイモン・ドゥパルドン
第9章 ロマン=フォト・モデルヌ――写真とテクストの臨界
第10章  カルティエ=ブレッソンの新しい受容言説――フノイユとギベール

終章 さらなる写真言説研究へ

著者について
佐々木悠介(ささきゆうすけ)
1977年,仙台生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程(比較文学比較文化コース)修了。博士(学術)。現在,東京大学非常勤講師・学術研究員。専攻,写真論,比較文学比較文化(仏語圏および英語圏)。主な著書に,『写真と文学――何がイメージの価値を決めるのか』(共著,平凡社,2013年)などがある。

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