7月の新刊:津島佑子の世界

2017年 7月 31日 コメントは受け付けていません。

津島佑子の世界津島佑子の世界
井上隆史(編)
津島佑子,鹿島田真希,呉佩珍,木村朗子,与那覇恵子,川村湊,中上紀,ジャック・レヴィ,マイケル・ボーダッシュ,菅野昭正,中沢けい,原川恭一(著)

判型:四六判上製
頁数:274頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0261-6 C0095
装幀:西山孝司
好評発売中!


夢よ、光よ。
鋭敏な感覚によって「女性」や「母子」の深淵を穿つ作品群を執筆、また世界的視野のもと歴史や民族の問題を踏まえた充実の長編作品を数多く世に問うた津島佑子。創作の原点となった若き日々、家族とともにあることの葛藤とよろこび、父・太宰治の影、繊細で緻密な小説の綾、世界文学へのまなざし、そして作家生活を支えた自由闊達な人柄……。小説家・批評家・研究者による多彩なエッセイ・評論・座談を収録し、津島佑子の魅力的な文学世界に誘う一冊。
*母校・白百合女子大学での追悼シンポジウムの記録論集
*学内新聞に掲載された貴重な論文やエッセイも特別収録!

目次
まえがき

Ⅰ 津島佑子の世界

第一章 津島文学の原点
強く美しい「夢」に生きた小説家 鹿島田真希

第二章 津島文学の多層性
帝国残影の三部作 呉佩珍
ことばの揺りかごにゆられて 木村朗子
津島佑子の声を追って 与那覇恵子

第三章 津島佑子と二十一世紀の世界文学
川村湊/中上紀/ジャック・レヴィ/マイケル・ボーダッシュ

第四章 津島文学の投げかけるもの
二つの遺作をめぐって 菅野昭正
身構える母 中沢けい

Ⅱ 津島佑子と白百合学園

第一章 白百合学園の日々
同級生に聴く 切田節子/稲井承子

第二章 回想の白百合学園
現代と夢 津島里子(津島佑子)
白百合女子大学の頃 津島佑子
マ・メールの思い出 津島佑子
十五歳のクリスマス・イブ 津島佑子
旅立ちの春 原川恭一

年譜 与那覇恵子
著書一覧 与那覇恵子

あとがき

編者について
井上隆史(いのうえたかし)
白百合女子大学教授(日本近代文学)。主な著書に、『三島由紀夫 虚無の光と闇』(試論社、二〇〇六)、『豊饒なる仮面 三島由紀夫』(新典社、二〇〇九)、『三島由紀夫 幻の遺作を読む――もう一つの『豊饒の海』』(光文社、二〇一〇)、『三島由紀夫『豊饒の海』vs野間宏『青年の環』――戦後文学と全体小説』(新典社、二〇一五)などがある。

関連書
混沌と抗戦――三島由紀夫と日本、そして世界 井上隆史ほか編 5000円+税
三島由紀夫の時代 松本徹 2800円+税
川上弘美を読む 松本和也 2800円+税
現代女性作家論 松本和也 2800円+税

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