10月の新刊:モーパッサンの修業時代――作家が誕生するとき
2017年 9月 27日 コメントは受け付けていません。
モーパッサンの修業時代
作家が誕生するとき
足立和彦(著)
判型:A5判上製
頁数:361頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0283-8 C0098
装幀:齋藤久美子
10月2日発売!
作家はいつ〈誕生〉するのか?
「脂肪の塊」の華々しい成功によって脚光を浴びたモーパッサン。しかし、そこに至るまでの道のりは決して平坦なものではなかった……。
詩、戯曲、そして散文へ。小説家としての成功の影に隠され、従来顧みられることのなかった数多くの作品を仔細に読み込みながら、作家誕生の瞬間に迫る。
【目次】
序章 作家はいつ誕生するのか
第一章 ポエジー・レアリスト
少年から青年へ
抒情性の排除
現実の中に詩を
現実を詩の中へ
オリジナルな解釈
モーパッサンの詩学
第二章 演劇への挑戦
劇作家モーパッサンの試行錯誤
『昔がたり』と『稽古』、上流指向?
『バラの葉陰、トルコ館』、反詩的衛生法
『リュヌ伯爵夫人の裏切り』、ロマン主義への異議申し立て
『レチュヌ伯爵夫人』、〈失敗〉の教訓
第三章 小説の誘惑
一八七〇年代のモーパッサンと散文
『エラクリユス・グロス博士』、〈原〉モーパッサン
初期短編小説、個人的源泉
詩人と小説家
長編の試み
「脂肪の塊」、小説家の誕生
私的な詩人から社会的散文作家へ
終章 一八七〇年代のモーパッサン
注
書誌
あとがき
【著者について】
足立和彦(あだちかずひこ)
1976年、京都府に生まれる。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、パリ第四大学博士課程修了。現在、名城大学法学部准教授。専門は19世紀フランス文学。主な著書に、『フランス文学小事典』(共著、朝日出版社、2007年)、『即効! フランス語作文――自己紹介・メール・レシピ・観光ガイド』(共著、駿河台出版社、2015年)、訳書に、アラン・パジェス『フランス自然主義文学』(白水社、2013年)がある。
【関連書】
フロベール コンテンポラリーなまなざし ジャンヌ・ベム/柏木加代子訳/3000円+税