10月の新刊:欠落ある写本――デデ・コルクトの失われた書《フィクションの楽しみ》

2017年 10月 25日 コメントは受け付けていません。

欠落ある写本_書影欠落ある写本
デデ・コルクトの失われた書
《フィクションの楽しみ》
カマル・アブドゥッラ(著)
伊東一郎(訳)

判型:四六判上製
頁数:376頁
定価:3,000円+税
ISBN:978-4-8010-0279-1 C0097
装幀:宗利淳一
10月25日発売!


秘密は秘密の中に収められ、秘密によって隠される
文書館に忽然と出現した、古代の謎めいた写本。そこに描かれる、遊牧騎馬民族オグズの部族内で行われるスパイ探しの審問の様子と、サファヴィー朝のシャーの影武者をめぐる逸話、一見すると無関係な二つの物語のテキストは、写本の中で入り交じり、緊張を高めながら、悲劇的結末へと向かう……
中世チュルク叙事詩の最高傑作『デデ・コルクトの書』に隠された謎を題材に、現代アゼルバイジャンを代表する小説家=文学研究者が書き上げた歴史幻想小説を、本邦初紹介。


目次
前書き、あるいは欠落あるものの円満具足
もうひとつの前書き、あるいはこの世での相違は神にとって意味があるのか
そしてとうとう最後の前書き、あるいは「分からない」と言える者の根拠

欠落ある写本

後書き、あるいは全き未完の刻印

訳者あとがき

著者について
カマル・アブドゥッラ(Kamal Abdulla)
1950年、バクー生まれ。アゼルバイジャン科学アカデミー言語学研究所より博士号。2000年からバクー・スラヴ大学学長兼言語学科教授。現在、アゼルバイジャン言語大学学長。主な著書に、『秘められた「デデ・コルクト」』(バクー、2006)が、主な小説に、『魔術師の谷』(ヨコタ村上孝之訳、未知谷、2013)がある。

訳者について
伊東一郎(いとういちろう)
1949年、札幌市生まれ。現在、早稲田大学文学部教授。専攻、ロシア文学、ロシア音楽文化史、スラヴ比較民族学。主な著書に、藤沼貴編『ロシア民話の世界』(共著、早稲田大学出版部、1997)、『マーシャは川を渡れない』(東洋書店、2001)、『ヨーロッパ民衆文化の想像力』(共著、言叢社、2013)が、主な訳書に、ミハイル・バフチン『行為の哲学によせて/他』(共訳、水声社、1999)、『ラフマーニノフ歌曲歌詞対訳全集』(恵雅堂出版、2017)がある。

フィクションの楽しみ
エクリプス エリック・ファーユ/松田浩則訳/2,500円+税
石蹴り遊び フリオ・コルタサル/土岐恒二訳/4,000円+税
傭兵隊長 ジョルジュ・ペレック/塩塚秀一郎訳/2,500円+税
眠る男 ジョルジュ・ペレック/海老坂武訳/2,200円+税
リトル・ボーイ マリーナ・ペレサグア/内田吉彦訳/2,500円+税
テラ・ノストラ カルロス・フエンテス/本田誠二訳/6,000円+税


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