1月の新刊:反復のレトリック――梨木香歩と石牟礼道子と

2018年 1月 29日 コメントは受け付けていません。

反復のレトリック
反復のレトリック
梨木香歩と石牟礼道子と
《エコクリティシズム・コレクション》
山田悠介(著)

判型:四六判上製  
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0317-0 C0095
装幀:滝澤和子
1月25日発売!


環境文学の〈かたち〉
梨木香歩の『西の魔女が死んだ』、石牟礼道子の『苦海浄土』、リチャード・ネルソンの『内なる島』をはじめ日米の著名な環境文学作品を、「反復」という〈あや〉を糸口に読み解くエコクリティシズムの新しい試み。環境文学はもとより、文体論、コミュニケーション論への入門書としても最適。

目次
はじめに 

第一章 環境文学と「レトリック」  
1 エコクリティシズムとは何か
2 梨木香歩と石牟礼道子の環境文学   
3 ことばの〈かたち〉を語ること
4 ことばの〈あや〉と「レトリック」   
5 「弁論術」としての「レトリック」
6 本書のねらい――環境文学の「反復」を〈読む〉   

第二章 「反復」の諸相――形式・意味・機能   
1 「反復」という〈あや〉
2 「反復」の〈かたち〉と〈意味〉
3 「類像性」
4 「反復」と「コミュニケーション」――「六機能モデル」
5 「詩的機能」
6 「交話的機能」  

第三章 梨木香歩の「反復」  
1 自然から人間への〈言葉〉、死者から生者への〈言葉〉
2 人間から自然への言葉(1)――『ぐるりのこと』「物語を」の「反復」
3 人間から自然への言葉(2)――『蟹塚縁起』の「反復」
4 自然の〈言葉〉を語る〈うた〉(1)――コウノトリの〈言葉〉
5 自然の〈言葉〉を語る〈うた〉(2)――クビワキンクロの〈言葉〉
6 「主体の二重化」と交感論  

第四章 石牟礼道子の「反復」  
1 石牟礼道子の「言葉」へ 
2 反復すること、「相手の身になる」こと 
3 「反復」と交話的機能 
4 みっちんの〈変身〉――「反復」の「反復」
5 「草のことづて」をめぐる三つのテクスト
6 「想像的相互行為」の生成と「反復」   

おわりに   
註/参考文献/索引 
あとがき  

著者について
山田悠介(やまだゆうすけ) 
1984年大阪府に生まれる。立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士課程後期課程修了。博士(異文化コミュニケーション学)。現在、東洋大学・大東文化大学・杏林大学・非常勤講師。専門は、環境文学、文体論、コミュニケーション論。主な著書に、『鳥と人間をめぐる思考 環境文学と人類学の対話』(共著、勉誠出版、2016年)、『〈交感〉自然・環境に呼応する心』(共著、ミネルヴァ書房、2017年)、『環境人文学Ⅰ 文化のなかの自然』(共著、勉誠出版、2017年)、論文に、「動物変身譚における反復と類像性」(『文学と環境』第15号、2012年)などがある。

関連書
失われるのは、ぼくらのほうだ 野田研一/4000円
他火のほうへ――食と文学のインターフェイス 結城正美/2800円
水の音の記憶――エコクリティシズムの試み 結城正美/3000円
〈故郷〉のトポロジー――場所と居場所の環境文学論 喜納育江/2500円

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