5月の新刊:『悪の華』を読む《水声文庫》
2018年 5月 18日 コメントは受け付けていません。
『悪の華』を読む
《水声文庫》
安藤元雄(著)
判型:四六判上製
頁数:249頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0336-1 C0098
装幀:宗利淳一
5月10日頃発売!
「同時代の詩」を書くとは、どういうことなのか。継父への反発と母への愛憎、政治への期待と落胆、芸術家の使命の標榜、権力への反抗、恋慕と挫折、都市の移ろいと陰、老いと病、そして虚無……近代人の矛盾と動揺を「悪」のうちに結実させた詩集への《さそい》。
《近代の泥沼に伸び上がって咲いたこれら黄金の花々の一つ一つが、どれほどのかげりと、どれほどの美しさを宿していたか――それを読み取り、語り伝えるのは、今度は私たちの番である。》(第1章より)
【目次】
はじめに
第1章 詩集解題
第2章 芸術家の存在理由
第3章 ジャンヌとアポロニー
第4章 旅への《さそい》
第5章 《秋の歌》をめぐって
第6章 根の国のオルフェ
第7章 アレゴリーの詩法
第8章 子供としてのボードレール
第9章 移植の百年
あとがき
【著者について】
安藤元雄(あんどうもとお)
1934年、東京都生まれ。詩人、フランス文学者。明治大学名誉教授。詩集に『水の中の歳月』(高見順賞)、『夜の音』(現代詩花椿賞)、『めぐりの歌』(萩原朔太郎賞)、『わがノルマンディー』(詩歌文学館賞ほか)などが、評論集に『現代詩を読む』、『フーガの技法』などが、翻訳にボードレール『悪の華』全訳、グラック『シルトの岸辺』、ベケット『名づけえぬもの』、シュペルヴィエル『詩集』などが、編纂(共編)に『堀口大學全集』、『齋藤磯雄著作集』、『立原道造全集』、『フランス名詩選』などがある。
【関連書】
ボードレール伝 アンリ・トロワイヤ/4000円+税
小林秀雄 骨と死骸の歌――ボードレールの詩を巡って 福田拓也/4000円+税