6月の新刊:ハイチ女へのハレルヤ《フィクションの楽しみ》
2018年 6月 14日 コメントは受け付けていません。
ハイチ女へのハレルヤ
《フィクションの楽しみ》
ルネ・ドゥペストル(著)
立花英裕・後藤美和子・中野茂(訳)
判型:四六判上製
頁数:230頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0339-2 C0097
装幀:宗利淳一
6月20日頃発売!
太陽のエロティスム
古くから伝わる《少女と魚の悲恋》の逸話をなぞるように絶世の美女の叔母に惹かれゆく少年を捉えた表題作をはじめ、規範と差別、偏見に苦悶するなかで邂逅するエロスを晴れやかに描く、現代ハイチ文学の傑作短編集。
キリスト教の厳しい規律とヴォドゥ仕込みの奔放な女性との間で悶々とする思春期の少年、異国の地での勉学を投げ出し地球全体のエロス的測量を夢見る若者、街の名士として表沙汰にはできない奇行に走る壮年の男、ある日を境に白人と化し、かつての栄誉と精力を失った〈ニグロ〉の老人……生と死、閉塞と解放、女性的なるものの復権を通して生命の脈動を謳う10の官能!
【目次】
ハイチ女へのハレルヤ
山のロゼナ
ジョルジーナの水浴
白い影のニグロ
ナッシュビルへ向かう救急車
地理的放蕩学の回想
夕立
ティスコルニアの婚礼
ご挨拶
ジャクメルへの帰郷
【著者について】
ルネ・ドゥペストル(René Depestre)
1926年、ハイチのジャクメルに生まれる。詩人、作家。若くして政治活動に身を投じ、世界各地を転々とする。その後フランスに移り、執筆活動に専念。本書のほか、主な著書に『火花』(Étincelles, 1945)、『私の夢を千々に変転させるアドリアナ』(Hadriana dans tous mes rêves, 1988)、『ポパ・シンガー』(Popa Singer, 2016)などがある
【訳者について】
立花英裕(たちばなひでひろ)
1949年、宮城県に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、早稲田大学教授。専攻、フランス語圏文学。主な著書に、『21世紀の知識人』(共編著、藤原書店、2009)、訳書に、ピエール・ブルデュー『国家貴族』(藤原書店、2012)、ダニー・ラフェリエール『吾輩は日本人である』(藤原書店、2014)などがある。
後藤美和子(ごとうみわこ)
1964年、埼玉県に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。詩人。現在、早稲田大学非常勤講師。専攻、20世紀フランス文学。主な著書に、『極地』(詩集、書肆山田、2003)、訳書に、『ダダ・シュルレアリスム新訳詩集』(共編訳、思潮社、2016)などがある。
中野茂(なかのしげる)
1966年、群馬県に生まれる。パリ第8大学博士課程修了(文学博士)。現在、早稲田大学高等学院教諭、早稲田大学非常勤講師。専攻、フランス文学。主な著書に、『近代フランス小説の誕生』(共著、水声社、2017)などがある。
【フィクションの楽しみ】
デルフィーヌの友情 デルフィーヌ・ド・ヴィガン/湯原かの子訳/2,300円+税
欠落ある写本 カマル・アブドゥッラ/伊東一郎訳/3,000円+税
石蹴り遊び フリオ・コルタサル/土岐恒二訳/4,000円+税
テラ・ノストラ カルロス・フエンテス/本田誠二訳/6,000円+税