9月の新刊:比較から世界文学へ
2018年 9月 4日 コメントは受け付けていません。
比較から世界文学へ
張隆溪(チャン・ロンシー)(著)
鈴木章能(訳)
判型:A5判上製
頁数:261頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0360-6 C0090
装幀:西山孝司
九月上旬発売!
変化する概念としての「世界文学」
「比較文学」の世界的研究者で、ノーベル文学賞選考にも関わる著者が、これまでのヨーロッパ中心主義を乗り越え、真に地球的視座にたち語った、「世界文学」の可能性と、そのあるべき姿。
【目次】
序
第一章 岐路と遠隔殺人と翻訳――比較の倫理と政治学を巡って
第二章 差異の複雑さ――個・文化・異文化を巡って
第三章 差異か類似か?――比較研究の方法論的問題
第四章 天と人――異文化的視点から
第五章 廬山の真の姿――視野とパラダイムの重要性
第六章 歴史と虚構性――文学的視点の眼識と限界
第七章 幸福の土地を求めて――ユートピアとその不足感
第八章 銭鍾書と世界文学
第九章 世界文学の詩学
第一〇章 変わり続ける世界文学の概念
原注
参考文献
索引
訳者あとがき
【著者について】
張隆渓(チャン・ロンシー)
1947年、中国四川省成都市に生まれる。北京大学、ハーヴァード大学で学び、ハーヴァード大学で博士号(比較文学)取得。北京大学、ハーヴァード大学、カリフォルニア大学リヴァーサイド校を経て、現在、香港城市大学比較文学・翻訳論主任教授。スウェーデン王立アカデミー外国人会員、欧州アカデミー(Academia Europaea)会員、国際比較文学会会長(2016-2019)。比較文学、世界文学、East-West Studiesを代表する世界的な研究者。著書にMighty Opposites: From Dichotomies to Differences in the Comparative Study of China (Stanford: Stanford University Press, 1998)、Allegoresis: Reading Canonical Literature East and West (Ithaca: Cornell University, 2005)〔邦訳、『アレゴレシス――東洋と西洋の文学理論の翻訳可能性』鈴木章能・鳥飼真人訳、水声社、2016〕などがある。
【訳者について】
鈴木章能(すずきあきよし)
1967年、愛知県豊橋市に生まれる。明治学院大学大学院博士後期課程修了。博士(英文学)。甲南女子大学教授等を経て、現在、長崎大学教授。専攻はアメリカ文学、比較文学、East-West Studies。主な共著に、The Future of English in Asia: Perspectives on Language and Literature (Routledge Studies in World Englishes, New York: Routledge, 2015)、主な訳書に、張隆渓『アレゴレシス』(水声社、2016)などがある。