10月の新刊:象徴主義と〈風景〉――ボードレールからプルーストまで

2018年 10月 2日 コメントは受け付けていません。

象徴主義と風景 書影象徴主義と〈風景〉
ボードレールからプルーストまで
坂巻康司・立花史・津森圭一・廣田大地(編)

判型:A5判上製
頁数:392頁
定価:5500円+税
ISBN:978-4-8010-0375-0 C0098
装幀:宗利淳一
10月下旬発売!

夢幻の情景、都市への視線
19世紀の文学運動のなかでつねに特権的な主題であった〈風景〉。
ロマン主義や自然主義とは異なる〈風景〉を捉えた象徴主義の作家たちに焦点を当て、ボードレール以後の作家たちがいかに〈風景〉と対峙したのか、その意味を剔抉する。


目次
緒言――〈風景〉に対峙する象徴主義/坂巻康司


ボードレール散文詩における他者という風景/廣田大地
ボードレールにおける風景と個性/清水まさ志
デボルド=ヴァルモールが描く夢とうつつの風景――『未刊詩集』を中心に/岡部杏子


ランボーの原風景――青の逃走/田島義士
ランボーと風景/深井陽介
バンヴィルにおける自然風景――1860年代までの作品に基づいて/松村悠子


都市への眼差し――ボードレールからマラルメへ/坂巻康司
マラルメ三景――「地平を読み解く者」のまなざし/中畑寛之
視覚のミモロジスム――環境人文学から見たマラルメの〝風景と詩〟/立花史


風景としての室内――ベルギー象徴主義における室内を巡って/三田 順
ジャリと風景の再構築――『昼と夜』における知覚と表象の関係を中心に/合田陽祐
不定形なものの美学――ヴァレリー『ドガ ダンス デッサン』を中心に/今井 勉
プルーストの〈風景〉――象徴主義との関連で/津森圭一

参考文献

編者あとがき

編者について
坂巻康司(さかまきこうじ)
1967年生まれ。東北大学准教授(フランス文学、比較文学)。編著に、『近代日本とフランス象徴主義』(水声社、2016年)、訳書に、ランシエール『マラルメ セイレーンの政治学』(共訳、水声社、2014年)などがある。
立花史(たちばなふひと)
1974年生まれ。早稲田大学ほか非常勤講師(フランス文学・思想)。著書に、『マラルメの辞書学――『英単語』と人文学の再構築』(法政大学出版局、2015年)、『近代日本とフランス象徴主義』(共著、水声社、2016年)などがある。
津森圭一(つもりけいいち)
1976年生まれ。新潟大学准教授(フランス文学)。著書に、Proust et le paysage : des écrits de jeunesse à la “Recherche du temps perdu”(H. Champion, 2014)、論文に、「プルーストの庭園論――小説の美学と庭園の詩学のあいだで」(『STELLA』34号、2915年)などがある。
廣田大地(ひろただいち)
1981年生まれ。神戸大学准教授(フランス近代詩・抒情詩)。論文に、« La Transgression du discours lyriques chez Baudelaire »(『フランス語フランス文学研究』99号、2011年)、« La poétique de la fenêtre chez Baudelaire »(L’Année Baudelaire, no.13-14, Honoré champion, 2011)などがある。

関連書
近代日本とフランス象徴主義 坂巻康司編/6500円+税
マラルメの現在 大出敦編/6000円+税
テクストとイメージ マリアンヌ・シモン=及川編/4500円+税

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