10月の新刊:山椒魚の忍耐――井伏鱒二の文学

2018年 10月 17日 コメントは受け付けていません。

山椒魚の忍耐山椒魚の忍耐
井伏鱒二の文学
勝又浩(著)

判型:四六判上製
頁数:268頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0371-2 C0095
装幀:宗利淳一
10月下旬発売!


井伏鱒二生誕120年&没後25年
自然を愛し、地に足ついた生活実感のただなかで創作を続けた井伏鱒二。平穏な日々を綴るかに見えるその小説には、しかし「人類古来の悲しみ」が静かに織り込まれている。巧まざる文学によって生そのものを見つめた井伏鱒二の人と作品をめぐる逍遥。

目次
山椒魚の忍耐――『山椒魚』と『賭』
ドリトル先生とテスト氏――井伏鱒二と小林秀雄
川と街の考現学――井伏鱒二と横光利一
屈託とやつれ――『引越やつれ』『夜ふけと梅の花』
幸と不幸の配分方程式――『歪なる図案』『朽助のゐる谷間』
理想郷としての主従――『さざなみ軍記』『かるさん屋敷』
常識交換――『花の町』『遥拝隊長』
立ち会う「私」――『へんろう宿』『山峡風物誌』
山川草木の説――『青ヶ島大概記』
もう一つの戦後文学――『病人の枕もと』
黒い雨と白い虹――『黒い雨』

著者について
勝又浩(かつまたひろし)
1938年、横浜市に生まれる。文芸評論家、法政大学名誉教授。主な著書に、『我を求めて――作家論集』(講談社、1978年)、『引用する精神』(筑摩書房、2003年)、『中島敦の遍歴』(筑摩書房、2004年、第13回やまなし文学賞)、『作家たちの往還』(鳥影社、2005年)、『「鐘の鳴る丘」世代とアメリカ――廃墟・占領・戦後文学』(白水社、2012年)、『私小説千年史――日記から近代文学まで』(勉誠出版、2015年、第28回和辻哲郎文化賞)などがある。

関連書
立原道造――故郷を建てる詩人/岡村民夫/3500円+税
小島信夫の文法/青木健/2500円+税
津島佑子の世界/井上隆史編/2500円+税
三島由紀夫の時代――芸術家11人との交錯/松本徹/2800円+税


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