11月の新刊:フランス近代小説の力線
2018年 11月 26日 コメントは受け付けていません。
フランス近代小説の力線
沖田吉穂(著)
判型:A5判上製
頁数:403頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0357-6 C0098
装幀:宗利淳一
11月下旬発売!
バルザックを基点としプルーストに至る19-20世紀フランス小説の展開を、同時代の自然科学の発展や、政治経済の動向との関わりの中で読み解き、自然史・社会史が作用する「場の力学」によって跡づける。
【目次】
フランス小説の磁場を探って――「まえがき」にかえて
Ⅰ フロベール
「農事共進会」から『ボヴァリー夫人』を読む――政治のディスクールと恋愛のディスクール
『ボヴァリー夫人』と『ノートルダム・ド・パリ』――ヨンヴィルに住まうカジモドの後裔たち
『ボヴァリー夫人』における教会と国家
『感情教育』における政治の射程
Ⅱ ゾラ
エネルギーの変容から読む『居酒屋』
『ジェルミナール』における正義とその表象
ゾラの鉄道小説『獣人』――連続映像と触覚
近代批評と自然主義――サント=ブーヴとテーヌ、そしてゾラ
Ⅲ プルースト
恋と環境——プルーストの小説の「小さな核」をめぐって
価値、交換、信用——プルーストと社交の経済
プルーストにおける芸術の理念
ブルーストとビシャ――間歇性と習慣の理論
Ⅳ 視界をやや拡げて
ルナンの政治的著作と思想劇『カリバン』
ラマルチーヌの青春小説と詩人の使命
注
あとがき
【著者について】
沖田吉穗(おきたよしほ)
1950年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、早稲田大学教授。著書に、『危機のなかの文学――今、なぜ、文学か?』(共著、水声社、2010年)、訳書に、ピエール・ガスカール『探検博物学者フンボルト』(白水社、1989年)などがある。
【関連書】
近代フランス小説の誕生 植田裕次編/4000円+税
フロベール コンテンポラリーなまなざし ジャンヌ・ベム/柏木加代子訳/3000円+税
印象・私・世界――『失われた時を求めて』の原母体 武藤剛史/3000円+税
プルースト的絵画空間――ラスキンの美学の向こうに 真屋和子/6500円+税