6月の新刊:いつかはみんな野生にもどる――環境の現象学《エコクリティシズム・コレクション》

2016年 6月 22日

野生に戻るいつかはみんな野生にもどる
環境の現象学
《エコクリティシズム・コレクション》
河野哲也(著)

判型:四六上製
頁数:277頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0188-6 C0090
装幀:滝澤和子
好評発売中!


「私たちは、ある場所の中で、ある時間の流れの中で、身体の働きの一部として考える」(本文より)
 7月8日朝日新聞朝刊「折々のことば」にて取り上げられました!

内容紹介
メキシコのチェチェン・イツァ,パタゴニア,モニュメント・バレー,ヨセミテ渓谷,コルシカ島,そしてフクシマを訪れ著者がその地,そこでの時間のなかで経験し,そのうえでエマーソン,ソロー,ミューア,和辻哲郎,串田孫一,林京子らの作品を読み解き自然と文明のあり方を哲学する。
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6月の新刊:三声書簡 1888-1890

2016年 6月 22日

三声書簡三声書簡 1888-1890
アンドレ・ジッド+ピエール・ルイス+ポール・ヴァレリー(著)
松田浩則+山田広昭+塚本昌則+森本淳生(訳)

判型:A5上製
頁数:695頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0166-4  C 0097
装幀:西山孝司
好評発売中!


フランス文学を知る上での第一級の資料。
ジッド、ルイス、ヴァレリーというフランスを代表する作家3人が、1888年〜1890年の青春期に交わした189通の往復書簡集。文学青年として早熟したジッド−ルイスの友情にはじまり、早くから才能の片鱗を見せていたヴァレリーがそこに加わる……この3者のやりとりはやがて、互いに文学意識を高めていく類例をみない“トリオ”となっていく。
フランス文学、さらには近代文学一般について考える上での貴重なテクスト。
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6月の新刊:エクソダス――アートとデザインをめぐる批評

2016年 6月 22日

ピクチャ 5エクソダス
アートとデザインをめぐる批評
暮沢剛巳(著)

判型:四六並製
頁数:331頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0167-1  C0070
装幀:齋藤久美子
好評発売中!



〈越境〉する思考の軌跡
現代アート/デザイン批評の分野で注目されてきた著者が、ながらく新聞・雑誌・展覧会カタログなどに寄せた文章を集成する批評集。
現代美術をエコロジーの観点から考察する第Ⅰ部「アートの中のエコロジー」。長期にわたってデザイン雑誌に書きついだコラムを集めた第Ⅱ部「Inspiration」。フィールドワークのように国内外の展覧会を紹介する第Ⅲ部「現代美術の履歴書+α」。ミュージアムとデザインを論じた第Ⅳ部「アーカイヴとデザイン」。マンガやアニメの批評を集めた第Ⅴ部「ポストモダンの視覚文化」。
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6月の新刊:(不)可視の監獄

2016年 6月 22日

(不)可視の監獄(不)可視の監獄
サミュエル・ベケットの芸術と歴史
多木陽介(著)

判型:四六上製
頁数:372頁
定価:4000円+税
ISBN:978−4−8010−0186−2 0070
装幀:宗利淳一
好評発売中!



内容紹介
これまで深く考察されてこなかったベケットと監獄との親密な関係を探究しながら、現代に生きるわれわれの実存を閉じ込めてきた〈(不)可視の監獄〉を浮き彫りにする、イタリア在住の演出家による渾身のベケット論。
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6月の新刊:小島信夫長篇集成⑧ 寓話 

2016年 6月 22日

小島長篇8書影寓話
小島信夫長篇集成⑧
編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=保坂和志
月報=古谷利裕・阿部公彦・吉増剛造・柿谷浩一

判型:A5判上製
頁数:568頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0118-3 C0393
装幀:西山孝司
好評発売中!


『寓話』は読むこちらがひたすら熱に浮かされるような小説だ、私は読み出すと早々に本を投げて駆け出したくなった、他にそこまで興奮したのは三十になるまで読むのを避けていた『罪と罰』のラストちかく、二人のやりとりの途中私は大阪に向かう新幹線に乗っていたが私は窓を割って飛び降りたくなった。(保坂和志「解説」より)

著者生誕100年&没後10年記念出版!
小島信夫のすべての長篇小説を網羅するシリーズ、第8回配本。
ある日、かつて書いた長篇『墓碑銘』の主人公から、作者の「私」のもとへ電話がかかってきた。やがて届いた長大な暗号書簡を「私」はひたすらに解読し続けるのだが……。過去の作品、そのモデルとなった人物や物事、古今東西の文学作品、同時代のテレビ番組、実在の小説家や作者の友人知人、手紙、電話、暗号……錯雑と渾沌の渦中へと読者を掻っ攫う、稀代未聞の小説空間。
数多くの作家やアーティストに影響を与え続けてきた問題作、待望の復活!!
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5月の新刊:リトル・ボーイ 《フィクションの楽しみ》

2016年 6月 22日

リトルボーイ書影リトル・ボーイ
《フィクションの楽しみ》
マリーナ・ペレサグア(著)
内田吉彦(訳)

判型:四六上製
頁数:248頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0161-9 C0097 
装幀:西山孝司
好評発売中!


本邦初紹介となるスペイン文学の新星が、〈ヒロシマ〉の悲劇を描く問題作!
原爆投下によって被爆し、その後数奇な体験を重ねた女性の半生をめぐる表題作をはじめ、傷つけられ、虐げられ、極限状態で苦悩する人々の不条理な姿を幻想的筆致のうちに描き出し、生の淵源をまばゆく照射する。
ドライで静謐な筆致、アグレッシヴな性描写、痛ましくときにグロテスクな物語世界によって、人間の深奥に隠されたおぞましさに肉迫する13の物語。
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5月の新刊: マラーナの女たち ≪バルザック 愛の葛藤・夢魔小説選集 3≫

2016年 6月 21日

バルザック3書影マラーナの女たち
オノレ・ド・バルザック(著)
私市保彦+加藤尚宏+大下祥枝+奥田恭士+東辰之介(訳)

判型:四六上製
頁数:400頁
定価:3800円+税
ISBN:978−4−8010−0143−5 C0397 
装幀:滝沢和子
好評発売中!



内容紹介
十三世紀から続く、娼婦の家系のラ・マラーナは、娘ジュアナの将来を憂い、厳しく娘の貞操を守っていた。そこに遊び人のモンテフィオーレ侯爵が現れて……
血に呪縛された女の生き様を描いた表題作ほか、「オノリーヌ」「シャベール大佐」「フィルミアーニ夫人」「徴募兵」の五篇。
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5月の新刊:つながりを求めて

2016年 6月 21日

書影(つながりを求めて)つながりを求めて
シャルトルの翡翠
小島俊明(著)

判型:四六並製
頁数:276頁
定価:2500円+税
ISBN:978−4−8010−0147−3 C0095
装幀:齋藤久美子
好評発売中!



内容紹介
《フランスの文芸批評家ジャン・ピエール・ジョシュアから私のフランス語俳句集によせられた評言を読み返すことによって、「過去と現在、自然と人間、東洋と西洋とを仲立ちする詩語」という言葉に目が覚めました。そうして嬉しいことに、ジューヴ、バルチュス、十字架の聖ヨハネ、奥村一郎、武満徹、長谷川等伯……とのつながりが得られました。》(「あとがき」より)
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5月の新刊:失われるのは、ぼくらのほうだ《エコクリティシズム・コレクション》

2016年 6月 21日

失われる失われるのは、ぼくらのほうだ
《エコクリティシズム・コレクション》
野田研一(著)

判型:四六上製
頁数:381頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0141-4 C0090
装幀:滝澤和子
好評発売中!




内容紹介
自己投影としての自然ではなく,あくまでも他者としての自然。近代文学の流れのひとつを継承するネイチャーライティング(エマソン『自然』,ソロー『ウォールデン』,宮崎駿『もののけ姫』,藤原新也『東京漂流』など)を概観しエコクリティシズムの視点からその〈自然/他者〉と〈自己〉との交感を多面的に考察する。
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3月の新刊:戦争・詩的想像力・倫理

2016年 6月 15日

戦争/詩的想像力/倫理戦争・詩的想像力・倫理
アイルランド内戦、核戦争、北アイルランド紛争、イラク戦争
伊達直之/堀真理子/佐藤亨/外岡尚美(著)

判型:A5上製
頁数:399頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0157-2 C0090
装幀:齋藤久美子
好評発売中!


内容紹介:
20世紀以降の世界各地でおこるテロ、民族紛争、内戦。この混迷の時代に芸術、文学はいかに対峙するのか。『オイディープス王』、『勝負の終わり』、『しあわせな日々』、『アルカイダへの旅』ほかギリシア劇にインスパイアされた作品を解読し、〈癒し〉〈倫理〉の視点からも考察する。
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5月新刊:テラ・ノストラ

2016年 5月 16日

ピクチャ 1テラ・ノストラ
《フィクションの楽しみ》
カルロス・フエンテス(著)
本田誠二(訳)

判型:四六上製
頁数:1091頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0129-9 C0097
装幀:宗利淳一
好評発売中!


《我らの大地》を物語る、ラテンアメリカ文学の金字塔。メキシコを代表する作家が残した畢生の大作、待望の完訳!

征服者スペインによって始まったメキシコ成立の物語を、神話・小説的な想像力をもちいて批判的読解/創造する現代ラテンアメリカ小説の傑作。

スペイン王家のフェリペ2世や狂女フアナなどの実在の人物たちと、ドン・キホーテやドン・フアンなどの架空の登場人物たちを斬新な手法で錯綜させ、イベロアメリカ全体に影響を及ぼす征服者の悲劇を、旧世界・新世界・別世界の3部構成で物語る世紀の叙事詩! Read the rest of this entry »

 

J・G・バスケスを芥川賞作家と読む

2016年 4月 20日

世界が最も注目するラテンアメリカ作家 2冊同時刊行記念
J・G・バスケスを芥川賞作家と読む


主催:東京外国語大学総合文化研究所
登壇者:小野正嗣・柳原孝敦・久野量一
司会:和田忠彦

今年1月に小社より刊行した『コスタグアナ秘史』の著者、フアン・ガブリエル・バスケスについての講演会が催されます。東京外国語大学総合文化研究所が主催している「series 翻訳を考える2016」の第1回目として、小社刊行の『コスタグアナ秘史』の訳者・久野量一先生(東京外国語大学)と、松籟社より刊行の『物が落ちる音』の訳者・柳原孝敦先生(東京大学)の訳者2名と、芥川賞作家・小野正嗣先生とともにJ・G・バスケスの作品を読解します。
 世界が最も注目する作家の作品を、芥川賞作家はいかに読むのでしょうか。外国文学の“今”が分かるイベントに、ぜひ足をお運びください。
詳細は以下のリンクよりをご覧ください。
J・G・バスケスを芥川賞作家と読む


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日時:2016年4月26日(火)18:00〜19:30
会場:東京外国語大学総合文化研究所研究講義棟 4F 422
入場無料
事前予約不要
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5月新刊:中村真一郎手帖⑪

2016年 4月 20日

中村真一郎手帖11
中村真一郎手帖⑪
中村真一郎の会(編)
判型:A5判並製
頁数:96頁
定価:1000円+税
ISBN978-4-8010-0164-0 C0091 4月下旬発売予定
装幀者:齋藤久美子

内容紹介:
堀辰雄、立原道造との関連によって中村真一郎の新たな側面を浮き彫りにするシンポジウム記録「堀辰雄、立原道造、そして中村真一郎」の他、中村真一郎とその周辺に関する論考やエッセイなどを多数収録する、中村真一郎研究の最前線。

目次:
協同作用と堀辰雄 渡部麻実
軽井沢という「故郷」 岡村民夫
中村真一郎《からの・への》堀辰雄・立原道造 竹内清己
他者の視点の獲得 田口亜紀
木洩れ日のなかの写真と鹿 小山正孝と中村真一郎
美しい本を求めて 山村光久
メキシコ雑感 井上隆史
遠望の先に 高遠弘美
中村真一郎に甦るネルヴァル 小林宣之
近況/短信/趣意書/会則

関連書:
【中村真一郎手帖】
*各界の論者による評論やエッセイなどを収める、中村真一郎研究の最前線
*①号〜⑪号まで刊(毎年5月ごろ刊)
*定価1000円+税(⑧号のみ1500円+税)

【中村真一郎の本】
小説構想への試み/2800円+税
続・小説構想への試み/4000円+税
中村真一郎 青春日記/池内輝雄・傳馬義澄編/5000円+税
城北綺譚/解説=菅野昭正/1800円+税
日本古典にみる性と愛/解説=沓掛良彦/2500円+税
全ての人は過ぎて行く/解説=飯島耕一/3000円+税
戦後文学の旗手 中村真一郎/鈴木貞美/2500円+税


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〈中村真一郎の会〉第9回総会のお知らせ

日程:2016年4月23日(土)
場所:明治大学駿河台校舎リバティ・タワー12階1123番教室)
14:00〜 総会
14:30〜16:30 記念シンポジウム
《中村真一郎と東大仏文科》
パネラー=清水徹・菅野昭正
司会=鈴木貞美
17:00〜 懇親パーティー

* 今総会の議題は、①役員改選、②決算・予算の承認、などを予定しています。
* 総会のあと、若き日の中村真一郎にとって戦前・戦後の東大仏文科とはどのような場であったのか、当時の日本文学の状況にも触れながら振り返るシンポジウムを行います。シンポジウムは会員は無料ですが,非会員の方は有料(1000円)です。
* お問い合わせは,事務局(Tel.03-5689-8410 Fax.03-3818-2437 水声社内)にお願いいたします。

 

4月新刊:小島信夫長篇集成⑦ 菅野満子の手紙

2016年 4月 20日

小島信夫長篇集成⑦菅野満子の手紙
小島信夫長篇集成⑦
編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=近藤耕人
月報=吉増剛造・柿谷浩一・宮沢章夫・井出彰

判型:A5判上製
頁数:552頁
定価:定価8000円+税
ISBN:978-4-8010-0117-6 C0393 
装幀:西山孝司
4月25日頃発売!

小島はいろいろな腹話術を演じながら最後にその輪の中心の人形を壊してしまう。それは現代人の有り様を暗示しているようで、ぶち壊された小説は現実の人物からも手紙からも自立して、いなくなった作者とともに生き続ける力を得ることになる。満子が死んで五年近くも連載を続けながら、蛇行反復が特徴の小島だが、この小説は均整の取れた詩的構成を持ち、小島信夫の遺書とも言える会心の作であったに違いない。(近藤耕人「解説」より)

著者生誕100年&没後10年記念出版!
小島信夫のすべての長篇小説を網羅するシリーズ、第7回配本。
女流作家・菅野満子と夭折した「私」の兄の恋愛事件をめぐる手紙や対話、実在の人物との交流、そして過去の自作『女流』をも交錯させながら、作品世界は時間と空間の狭間を揺動し、異様な自己増殖を繰り返す。『別れる理由』に引き続き、破格の作品構造によって小説の限界に挑む小島文学の新たな展開。

★内容見本は全国の書店にて配布中です。小社へ直接ご請求いただく場合は、郵便切手82円分を同封の上、【〒112-0002 東京都文京区小石川2-10-1 水声社営業部・小島信夫係】までお願いいたします。

【次回配本】
⑧寓話 解説=保坂和志 予価8000円+税

【小島信夫の本】
《小島信夫短篇集成》全8巻 セット定価60000円+税
《小島信夫批評集成》全8巻 セット定価60000円+税

小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税

未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信②/小島信夫を再読する 1000円+税

 

「『ヴァルター・ベンヤミンの墓標』刊行記念イベント開催

2016年 4月 5日

管啓次郎×金子遊「マイケル・タウシグの人類学と思想」

マイケル・タウシグはコロンビア大学人類学教室の教授で、英語圏では知らない人のいない人類学者=移動するエッセイストです。大胆にフィクション批評を導入したその哲学的なエッセイは、まるでビートニク小説のようにも読めると評判です。タウシグの著書が日本語に翻訳されるのは、本書が初めてとなります。「文化人類学の巨人」の魅力を存分に味わっていただくため、管啓次郎さん(詩人・比較文学)と、本書の訳者のひとりである金子遊さん(映像作家・民族誌学)のトークイベントを開催します。

管啓次郎(すが・けいじろう)
1958年生まれ。詩人、比較文学者。明治大学理工学部教授。ハワイ大学、ニューメキシコ大学、ワシントン大学などで、文化人類学と比較文学を学ぶ。主な著作に『コロンブス の犬』、『狼が連れだって走る月』(いずれも河出文庫)、『斜線の旅』(インスクリプト、読売文学賞)、『本は読めないものだから心配するな』、『ストレンジ オグラフィ』(いずれも左右社)など。カリブ海フランス語圏文学、チカーノ文学などの翻訳でも知られる。主な訳書に、エドゥアール・グリッサン『関係の〈詩学〉』、アントナン・アルトー『手先と責苦』(いずれも河出書房新社)、ル・クレジオ『ラガ』(岩波書店)など多数。

金子遊(かねこ・ゆう)
1974年生まれ。映像作家、民族誌学。慶應義塾大学環境情報学部ほか非常勤講師。著書に『辺境のフォークロア』(河出書房新社)。編著に『フィルムメーカーズ 個人映画のつくり方』、『吉本隆明論集』(いずれもアーツアンドクラフツ)、『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社)、『国境を超える現代ヨーロッパ250 移民・辺境・マイノリティ』(河出書房新社)。共著に『鳥居龍蔵 日本人の起源を探る旅』(アーツアンドクラフツ)、『アイヌ民族否定論に抗する』(河出書房新社)など多数。

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日時:2016年05月17日(火)19:30〜
会場:ジュンク堂書店池袋本店(東京都豊島区南池袋2-15-5)
入場料:1000円(1ドリンク付き)
*イベントに関するお問い合わせ、ご予約は下記へお願いいたします。
ジュンク堂書店池袋本店
TEL 03-5956-6111
東京都豊島区南池袋2-15-5
*当日、会場の4F喫茶受付でお支払いください。
*ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願いいたします。(電話:03-5956-6111)
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4月新刊:垂直の声 プロソポペイア試論

2016年 3月 29日

垂直
垂直の声
プロソポペイア試論
ブリュノ・クレマン(著)
郷原佳以(訳)

判型:A5判上製
頁数:376頁
定価:4800円+税
ISBN:978−4−8010-0163-3 C0098 4月15日頃発売!

このように語っているのは誰なのか

レトリックの一つ、プロソポペイアに光を当てた、詩学も軸にすえた独自の方法論による、修辞学の脱構築!
国際哲学コレージュで院長をつとめた著者が、不在のものの「声」という、<思考のフィギュール>に迫る!

目次:
第一章 声のための比喩形象
第二章 他なる声
第三章 見せかけの声、本気の声
第四章 近い声、遠い声
第五章 垂直の声

訳者解説 他なる声、他なる生、比喩形象
訳者あとがき

著者について:
ブリュノ・クレマン(Bruno Clément)  1952年に生まれる。国際哲学コレージュの院長を務めたのち、現在、パリ第八大学教授、パリ–リュミエール大学教授。専攻、文学および哲学。主な著書に、『特性なき作品 サミュエル・ベケットの修辞学』(L’Œuvre sans qualités. Rhétorique de Samuel Beckett, Seuil, 1994)や『注釈の発明 アウグスティヌス、ジャック・デリダ』(L’Invention du commentaire. Augustin, Jacques Derrida, PUF, 2000)など多数。

訳者について:
郷原佳以(ごうはらかい)  1975年に生まれる。パリ第七大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授。専攻、フランス文学。主な著訳書に『文学のミニマル・イメージ モーリス・ブランショ論』(左右社、2011)、クリストフ・ビダン『モーリス・ブランショ 不可視のパートナー』(共訳、水声社、2014)など。

***
『垂直の声』邦訳刊行に際しまして、著者のブリュノ・クレマン氏が来日し、講演をされます。本書のテーマ「プロソポペイア」に関する講演も行われますので、みなさまぜひふるって足をお運び下さい。

4月18日(月)18:30-20:30 日仏会館1階ホール _
講演「声なき者たちの声――プロソポペイア、文学と哲学の間の比喩形象 La voix des sans voix – prosopopée, figure entre la littérature et la philosophie」(通訳付き。要事前予約)
(司会:澤田直 _ディスカッサント:郷原佳以)
詳細はこちら*

4月19日(火)18:30-20:30 日仏会館5階501会議室
セミナー「哲学者と文体の問題 Les philosophes et la question du style」(要事前予約)
詳細はこちら*

4月21日(木)17:00-19:00 早稲田大学戸山キャンパス33号館第一会議室
講演 「愛vs概念(ハンナ・アーレントとマルティン・ハイデガーの恋愛関係について L’amour versus concept (sur la relation amoureuse qui a lié Hannah Arendt et Martin Heidegger))(通訳付き)
(司会:千葉文夫)
詳細はこちら*

4月22日(金)17:00-19:00 東京大学駒場キャンパス _18号館4階コラボレーションルーム3
セミナー「ノーベル文学賞受賞者、ベルクソン Bergson, prix Nobel de la littérature」

 

4月新刊:よろこべ午後も脳だ

2016年 3月 29日

よろこべ書影
よろこべ午後も脳だ
野村喜和夫(著)

判型:A5変判
頁数:208頁
定価:3500円+税
ISBN:978−4−8010-0162-6 C0092 4月7日頃発売!
装幀者:HOLON

内容紹介:
脳のなかの奇妙な生き物と
かくされたわたしたちがざわめきはじめる、
昼と夜の響宴。

前から縦組みのAMが、後ろから横組みのPMが始まり、午前と午後がまんなかで出会う。数学と言葉で戯れる、実験詩集成。

遊ぼう
恋する軟体
海老も跳ねて
わたし眠れない

目次:
AM :
語ろう午前の巌
室町パッケージ
半球全誌
正午(よろこべ午後も脳だ)

PM:
よろこべ午後も脳だ
この世の果ての代数学
馬を野に放つ
正午(語ろう午前の巌)

著者について:
野村喜和夫(のむらきわお) 1951年、埼玉県に生まれる。現代詩の先端を走り続ける詩人、批評家。主な詩集に、『風の配分』(水声社、1999、高見順賞)、『ニューインスピレーション』(書肆山田、2003、現代詩花椿賞)、批評論に『オルフェウス的主題』(水声社、2008)、『移動と律動と眩暈と』(書肆山田、2011)、『萩原朔太郎』(中央公論新社、2011、前者とともに鮎川信夫賞)などがある。


関連書:
風の配分/野村喜和夫/2800円+税
オルフェウス的主題/野村喜和夫/2800円+税

 

4月の新刊:人形の文化史――ヨーロッパの諸相から

2016年 3月 29日

ピクチャ 1
人形の文化史――ヨーロッパの諸相から
香川檀(編)

判型:四六並製
頁数:344頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0158-9  C 0072 4月10日頃発売
装丁:西山孝司

人はなぜ、〈人形(ヒトガタ)〉をつくるのか?

古来より自らの似姿としてつくりだし、様々な関係を切り結んできた〈人形〉がもつ意義とは何か? 宗教・民俗・文学・芸術・思想など、豊かな文化的土壌をもつヨーロッパの諸相から人形文化の深淵に迫る論集。

[目次]
はじめに――人形の水脈系(香川檀)

第Ⅰ部 〈人形幻想〉の根源をさぐる

第1章  神のかたどり――聖性と呪いの人形文化史(踊共二)
第2章  民間伝承のなかの人形(嶋内博愛)
第3章  自動人形から江戸のからくり人形まで(小山ブリジット/西村淳子訳)
付章① 江戸のからくり人形を現代に甦らせる(半屋春光氏へのインタヴュー)

第Ⅱ部 モダニズム文学にみる人形

第4章  E.T.A・ホフマン『砂男』と自動人形――小説、バレエ、オペラ(光野正幸)
第5章  人造人間の魂――ヴィリエ・ド・リラダン『未来のイヴ』考(木元豊)
第6章  中欧の〈宿命的な痕跡〉を刻む人形――グスタフ・マイリンク『ゴーレム』について(桂元嗣)
付章② フランスの黒人人形と植民地主義——パリ人形博物館を訪ねて(平野千果子)

第Ⅲ部 危機の時代の人形愛

第7章  マネキンとマリオネット――法という名の糸についての覚書き(小森謙一郎)
第8章  予兆のなかのベルメール人形――ドイツ世紀末からワイマール時代の人形芸術(香川檀)
付章③ ベルメールの関節人形——衝撃の出会いからの出発(四谷シモン氏へのインタヴュー)

索引

[編者・執筆者について]
香川檀(かがわまゆみ) 武蔵大学人文学部教授。専攻、表象文化論、ジェンダー論、20世紀美術史。著書に、『想起のかたち――記憶アートの歴史意識』(水声社、2012)、『ダダの性と身体――エルンスト・グロス・ヘーヒ』(ブリュッケ、1998)、論文に、「アレゴリー的身体――人形装置と〈聖なる憂い〉」(小林康夫/松浦寿輝編『表象のディスクール:3 身体』、東京大学出版会、2000、所収)などがある。

踊共二(おどりともじ) 武蔵大学人文学部教授。専攻、西洋史。著書に、『改宗と亡命の社会史』(創文社、2003)、『図説スイスの歴史』(河出書房新社、2011)、『アルプス文化史――越境・交流・生成』(共著、昭和堂、2015)などがある。
嶋内博愛(しまうちひろえ) 武蔵大学人文学部教授。専攻、文化人類学、ドイツ民族学、民間伝承研究。著書に、『「燃える人」伝承と西洋の死生観』(言叢社、2012)、訳書に、フィリップ・パーカー『世界の交易ルート大図鑑』(共訳、柊風舎、2015年)などがある。
小山ブリジット(Koyama Brigitte-Richard) 武蔵大学人文学部教授。専攻、比較文学、美術史。著書に、『遊び絵』(Jeux d’estampes. Images étranges et amusantes du Japon, Nouvelles éditions Scala, 2015)、『日本のアニメーション』(Animation Japonaise — Du rouleau peint aux pokemon, Flammarion, 2009)、『マンガ千年の歴史』(Mille ans de manga, Flammarion, 2007)などがある。
西村淳子(にしむらじゅんこ) 武蔵大学人文学部教授。専攻、言語学。著書に、『フランス語時制論――発話行為のテクスト言語学』(春風社、2015)、『多言語多分化学習のすすめ』(監修・共著、朝日出版社、2008)などがある
光野正幸(みつのまさゆき) 1武蔵大学人文学部教授。専攻、ドイツ文学・音楽文化論。編纂書に、『クラウン独和辞典』(共著、三省堂、1991)、訳書に、『ケラー作品集3』(共訳、松籟社、1988)、ウィリアム・マン『リヒャルト・シュトラウスのオペラ』(共訳、第三文明社、1997)などがある。
木元豊(きもとゆたか) 一武蔵大学人文学部教授。専攻、フランス文学。著書に、『バッカナリア 酒と文学の饗宴』(共著、成文社、2012)、論文に、« le Rêve de Sowana dans l’histoire de L’Ève future de Villiers de l’Isle-Adam »(Études de langue et littérature française, Société Japonaises de Langue et Littérature françaises, n゜87, 2006)などがある。
桂 元嗣(かつらもとつぐ) 武蔵大学人文学部准教授。専攻、ドイツ文学、中欧文化論。著書に、『人類が全体として見る夢――ローベルト・ムージル『特性のない男』』(コンテンツワーク社、2008)、『ドイツ文化55のキーワード』(共著、ミネルヴァ書房、2015)などがある。
平野千果子(ひらのちかこ) 武蔵大学人文学部教授。専攻、フランス植民地史。著書に、『フランス植民地主義の歴史——奴隷制廃止から植民地帝国の崩壊まで』(人文書院、2002)、『フランス植民地主義と歴史認識』(岩波書店、2014)などがある。
小森謙一郎(こもりけんいちろう) 武蔵大学人文学部准教授。専攻、ヨーロッパ思想史。著書に、『デリダの政治経済学――労働・家族・世界』(御茶の水書房、2004)、訳書に、ヨセフ・ハイーム・イェルシャルミ『フロイトのモーセ――終わりのあるユダヤ教と終わりのないユダヤ教』(岩波書店、2014)などがある。

 

4月の新刊:水を得た魚――マリオ・バルガス・ジョサ自伝

2016年 3月 29日

ピクチャ 1
水を得た魚――マリオ・バルガス・ジョサ自伝
寺尾隆吉(訳)

判型:四六上製
頁数:508頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0156-5  C 0098 4月5日頃発売
装丁:宗利淳一

ノーベル賞作家、自らを語る――

作家としてノーベル賞を受賞し、政治家として大統領選挙に出馬したマリオ・バルガス・ジョサ。2つの貌をもつ作家自らが、幼年時代の思い出から職業作家になるまでを回想する〈青春期〉、そして大統領選立候補から敗北までを描いた〈壮年期〉を交互に語る“小説的”自伝。

《私にとって小説を書くとは、生きたくても生きられない人生――多くの冒険――を生きる手段であったし、我々の行動を支配する心の暗い奥底で私を政治活動へ駆り立てたのは、利他的な心などではなく、単なる冒険心だったのかもしれない。》(本書より)

(目次)

第1章  私の父という男
第2章  サン・マルティン広場
第3章  恐ろしいリマ
第4章  民主戦線
第5章  幸運な士官候補生
第6章  宗教、市町村、先祖
第7章  ジャーナリズムとボヘミアン生活
第8章  モビミエント・リベルタッド
第9章  ルーチョ叔父
第10章  公人生活
第11章  同志アルベルト
第12章  陰謀家と龍
第13章  勇敢な小サルトル
第14章  御用知識人
第15章 フリア叔母さん
第16章  大きな変化
第17章  ミトラ鳥
第18章  汚い戦争
第19章  パリ旅行
第20章  終着点
追記


訳者あとがき

[著者・訳者について]
マリオ・バルガス・ジョサ(MARIO VARGAS Llosa) 1936年、ペルーのアレキパ生まれ。長編小説『都会と犬ども』(1963)によりビブリオテカ・ブレベ賞を受賞して「ラテンアメリカ文学のブーム」の花形となった後、『緑の家』(1966)、『ラ・カテドラルでの対話』(1969)、『世界終末戦争』(1981)、『チボの狂宴』(2000)といった長編や、文学評論集『嘘からでたまこと』(1990)など、現在まで多数の作品を残している。1994年にセルバンテス賞、2010年にノーベル文学賞を受賞。

寺尾隆吉(てらおりゅうきち)  1971年、愛知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『魔術的リアリズム――20世紀のラテンアメリカ小説』(水声社、2012)、主な訳書には、カルロス・フエンテス『ガラスの国境』(水声社、2015)など多数ある。

 

3月新刊:狂気の愛、狂女への愛、狂気のなかの愛

2016年 3月 29日

狂気の愛 カバー
狂気の愛、狂女への愛、狂気のなかの愛
立木康介(著)

判型:四六版上製
頁数:240頁
定価+税:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0159-6 Cコード:C 0010 好評発売中
装幀者:西山孝司


著者紹介:
立木康介(ついきこうすけ)  1968年生まれ、神奈川県出身。京都大学文学部卒業。パリ第8大学精神分析学科博士課程修了。現在、京都大学人文科学研究所准教授。専攻、精神分析。主な著者に、『精神分析と現実界』(人文書院、2007)、『精神分析の名著』(編著、中公新書、2012)、『露出せよ、と現代文明は言う』(河出書房新社、2013)がある。


内容紹介:
「性関係はない」――ジャック・ラカン

ラカンの名高いテーゼ「性関係はない」。これは愛についての精神分析が語りうるすべてなのか。もちろんそうではない。フロイトの発見をこのテーゼに昇華させたラカンは、しかし愛について語ることをやめなかった。――たとえば宮廷愛について、あるいは狂気の愛について。運命的な愛の彷徨いを描いたブルトンやデュラスを導き手に、このテーゼの奥境へ向かう。


目次:
プロローグ
第1章 性関係はない――男の享楽と女の享楽
第2章 狂気の愛、狂女への愛、狂気のなかの愛――ブルトン、デュラス、ラカン
第3章 まどろみと海――エス、外の思考、〈他なる〉性
第4章 フロイトとサド