12月の新刊:第2期《ヘンリー・ミラー・コレクション》スタート!

2013年 12月 17日

《ヘンリー・ミラー・コレクション》第2期刊行開始!

大胆な性描写や、現代文明への批判にあふれた作風で 「性文学の巨匠」などと呼ばれるヘンリー・ミラー。小社で刊行されました《ヘンリー・ミラー・コレクション》の第2期が始まります! 第1期では収録されなかった中・短篇小説やエッセーなどを中心に、精選した不動の作品をお届けします。

 

『母』書影ヘンリー・ミラー・コレクション11

 母

小林美智代訳
装幀=宗利淳一
四六判上製312頁/定価3000円+税
ISBN978-4-8010-0000-1 C0398 12月16日頃発売 

 

 

第1回配本は中・短篇集『母』!

アメリカでの作家修業時代に書かれた「エヴァグレースへ」、旺盛な創作力にあふれた中期の作品「ニューヨーク往復」、ミラーを惹きつけた占星術師、コンラッド・モリカンを描いた後期作品「楽園の悪魔」、そして最晩年の「母」、「中国」。初期から最晩年までの作品5点を収録した、年齢を重ねるにつれて一個人として次第に円熟していくヘンリー・ミラーの実像を彷彿とさせる中・短篇集です。「楽園の悪魔」、「母」、「中国」は新訳、そして「エヴァグレースへ」と「ニューヨーク往復」は本邦初訳になります!

 



 

【同時配本】

さらにヘンリー・ミラー関連書として、
ホキ徳田著『ヘンリー・ミラーの八人目の妻』を同時配本!

 

8l–ڂ̍ȁƒJƒo[.inddヘンリー・ミラーの八人目の妻
ホキ徳田

装幀=宗利淳一
四六判上製416頁/定価3200円+税
ISBN978-4-8010-0006-3 C0095 12月16日頃発売

 

文豪ヘンリー・ミラーの最後の妻が、1960、70年代のロサンゼルスを駆け巡る! 
自由人ミラーの私生活とハリウッドの古き良き時代、そしてナイトクラブ開店騒動を描くドタバタエッセー集。

 

*ヘンリー・ミラー・コレクション第2期の内容見本は全国の書店で配布中です。

直接お申し込みいただくには、小社営業部へお願いいたします。郵便切手80円分を同封のうえ、

〒112-0002 文京区小石川2-10-1-202  水声社営業部・ヘンリー・ミラー内容見本係 まで

 

 

 

 

12月の新刊:『フランソワ・トリュフォーの映画』

2013年 12月 17日

トリュフォー書影フランソワ・トリュフォーの映画
アネット・インスドーフ
和泉涼一/二瓶恵訳

四六判上製/504頁/定価=4,800円+税
978-4-89176-975-8 C0074 好評発売中


 

緻密で刺激的、初の本格的作品論!

トリュフォー映画の基調をなすテーマとスタイルはなにか? ——みずみずしい初期の作品から自伝的なドワネル・シリーズ、そして晩年の傑作『終電車』まで、師と仰ぐヒッチコック/ルノワールとの比較を通してトリュフォー映画の魅力をあますところなく論じ尽くす。

 

関連書———価格税抜き

『トリュフォーの映画術』アンヌ・ジラン編/和泉涼一+二瓶恵訳 5,000円

『ロベール・ブレッソン研究 シネマの否定』淺沼圭司 4,000円

『ジーン・セバーグ』ギャリー・マッギー/石崎一樹訳 3,500円

『FBI vs. ジーン・セバーグ』J・R・ラーソン+G・マッギー/石崎一樹訳 2,500円

『ヌーヴェル・ヴァーグの全体像』ミシェル・マリ/矢橋透訳 2,800円(近刊)

 

11月の新刊:『マラルメの現在』

2013年 11月 28日

書影ラルメの現在

大出敦 編
執筆者=竹内信夫+立花史+松村悠子+永倉千夏子+中畑寛之+黒木朋興+坂口周輔+安川智子

 

 

A5判上製/400頁/定価=6000円+税
978-4-89176-991-8 C0098 11月28日頃発売予定

〈マラルメ〉とは何だったのか?


21世紀においてもなお色褪せない輝きを放ち続ける詩人マラルメ。
現代文学のみならず、様々な領域においてパラダイム変換をなしえた背景には19世紀の文化資本を共有していたという事実があった……。
同時代の言語学/韻文詩/音楽/写真などを詩人はいかに受容し、いかにそこから逸脱していったのか、最新の研究を踏まえながら多角的な視点から詩人の独創性に迫る。

関連書(価格税抜き)
祝祭としての文学——マラルメと第三共和制  佐々木滋子 5000円
マラルメと音楽——絶対音楽から象徴主義へ  黒木朋興 7000円
世紀末の白い爆弾——ステファヌ・マラルメの書物と演劇、そして行動  中畑寛之 8000円
〈彼女〉という場所——もうひとつのマラルメ伝  永倉千夏子 12000円

 

 

11月の新刊:『ミューリエル・スパークを読む』

2013年 11月 28日

1106356228ミューリエル・スパークを読む

大社淑子

 
装幀=齋藤久美子
四六判上製/302頁/定価=3200円+税
978-4-89176-998-7 C0098 11月28日頃発売予定

 

薫り立つ文体とエスプリ、
グロテスクなまでの人間模様……。

 いま、もっとも再評価が求められている英国の作家、ミューリエル・スパーク。有無を言わせない圧倒的な叙述によってエスカレートする、愛、諧謔、そして暴力。比類ない魅力をたたえたその文学を概観する、必携の作家論/作品論。

関連書

ドリス・レッシングを読む 大社淑子 3000円+税

 

 

11月の新刊:『ジョルジュ・エナン 追放者の取り分』

2013年 11月 28日

ジョルジュ・エナン=カバージョルジュ・エナン 追放者の取り分

《シュルレアリスムの25時》
著者=中田健太郎
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/296頁/定価=3000円+税
978-4-89176-768-6 C0398 11月28日頃発売予定

 
沈黙と雄弁の葛藤のうちに、詩と批評の現代的地平を切り開いた
エジプト・シュルレアリストの全貌!


 ニヒリズムの破壊的な明晰さ(イヴ・ボヌフォワ)

編集者、批評家、活動家、そして詩人……. 数多の顔をもつコスモポリタンにしてエジプト・シュルレアリスム運動の主導者、ジョルジュ・エナン。西欧諸国を渡り歩いた幼年時代、カイロの政治青年としての活動、ブルトンとの共闘と離別、そして祖国エジプトからの亡命—。詩篇を読解しながら波瀾万丈の生涯と思想の足跡をたどる。

 

《シュルレアリスム25時》全10巻、ついに完結!
既刊好評発売中!  *価格税別

ジョゼフ・シマ 無音の光 谷口亜沙子 3200円
クロード・カーアン 鏡のなかのあなた 永井敦子 2500円
マクシム・アレクサンドル 回心の不可能性 鈴木雅雄 2800円
ルネ・クルヴェル ちりぢりの生 鈴木大悟 3000円
ヴィクトル・ブローネル 燐光するイメージ 齊藤哲也 3500円
ロジェ・ジルベール=ルコント 虚無へ誘う風 谷昌親 3500円
ヴォルフガング・パーレン 幻視する横断者 齊藤哲也 3500円
ゲラシム・ルカ ノン=オイディプスの戦略 鈴木雅雄 2500円
ジャン=ピエール/デュプレー 黒い太陽 星埜守之 2500円

 

 

11月の新刊:『フローベールにおけるフォルムの創造』

2013年 11月 22日

9784891769970フローベールにおけるフォルムの創造

ジャン=ピエール・リシャール/芳川泰久+山崎敦訳

《批評の小径》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/248頁/定価=3000円+税
978-4-89176-997-0 C0098 11月下旬発売予定!


恋する者は、
液化するまえに、
愛のなかでねばつく。

「生地」(ペースト)と「ねばつくもの」(タール)をめぐり、
〈フローベール的存在〉の様態を鮮やかに描き出す。
20世紀文芸批評を一変させた主題論的批評(テマティスム)の核心的書物。

 

11月の新刊+イベント『秘められた生』

2013年 11月 13日


秘められた生_書影(帯無)秘められた生


パスカル・キニャール/小川美登里訳

《フィクションの楽しみ》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/520頁/定価=4800円+税
978-4-89176-996-3 C0097 11月中旬発売予定!

 

「目を閉じること」で愛がはじまる

〈かつての愛〉から、異郷を求めて自己、
外部へと〈出立〉(エクスタシー)する愛の物語。

ことばと沈黙、秘事、セクシュアリティの蠱惑から人間の官能と〈再生〉(ルネッサンス)に迫る愛のエクリチュール

 

*  *  *  *  *

 

来たる11月中旬、パスカル・キニャール氏が来日し、連日、対談・シンポジウム等が各所で行なわれます。上掲した渾身の最新作『秘められた生』も先行発売いたします。また、『秘められた生』のサイン会および『日本のうしろ姿』の著者クリスチャン・ドゥメ氏のトーク+サイン会は、日仏会館のシンポジウム会場にて開催いたします。是非、ご来場ください。

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《パスカル・キニャール 『秘められた生』サイン会》

11月16日(土)18時~ @日仏会館

 

《クリスチャン・ドゥメ トーク+サイン会》

◎ 11月16日(土)11時~ @日仏会館
「理解不可能なものの眩惑」(シンポジウムでの発表)

◎ 11月17日(日)15時~ @日仏会館
『日本のうしろ姿』トーク+サイン会(司会=千葉文夫、日本語通訳あり)

 

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《パスカル・キニャール イベント情報》

◎ 11月14日(木)18時~

「別れを告げる女」(→
(朗読:パスカル・キニャール/ピアノリサイタル:博多かおる)

アンスティチュ・フランセ関西 − 京都 稲畑ホール
(一般:800円、クラブ・フランス会員:500円/朗読はフランス語)
京都市左京区吉田泉殿町8 Tel: 075-761-2105

 

11月15日(金)19時~21時

「文学における「喪失」と「創造」」(→
対談:パスカル・キニャール+津島佑子(司会=川竹英克)

アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
東京都新宿区市谷船河原町15/Tel:03-5206-2500)
入場無料/フランス語・日本語(同時通訳付)

 

11月16日(土)10時~18時/11月17日(日)9時30分~15時

国際シンポジウム・プログラム「パスカル・キニャール——文学の東方(オリエント)」

事前申し込みは、右の日仏会館webサイト等にて(→
日仏会館(東京都渋谷区恵比寿3-9-25/Tel: 03-5421-7641)
入場無料/フランス語・日本語(同時通訳あり)
詳細はこちら→(

http://www.mfj.gr.jp/agenda/_data/P_Quignard_20131116-17_programme.pdf

 

11月16日(土)

本からスクリーンへ~ パスカル・キニャール原作映画上映会

14時~ 『めぐり逢う朝』(『アマリアの別荘』原作)(→

17時~ 『ヴィラ・アマリア』(『アマリアの別荘』原作)(→

アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ/入場無料

 

11月17日(日)18時~

語りと響き 「別れを告げる女」
(朗読:パスカル・キニャール/ピアノリサイタル:博多かおる)

アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ(→
一般1200円/学生・会員800円/フランス語

 

 

11月の新刊:『日本のうしろ姿』

2013年 11月 12日

日本のうしろ姿カバー日本のうしろ姿


クリスチャン・ドゥメ/鈴木和彦訳
《批評の小径》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/145頁/定価=2000円+税
978-4-89176-990-1 C0097 11月中旬発売予定!

 

私たちには見えない《日本》がここにある

日本について何の予備知識も持たないフランス人作家が、ある日突然、京都という町が見せる日本のイメージに直面することになった……。

古本屋、ATM、カラス、お花見、道路工事、クリーニング屋――私たちの日常生活にまぎれこんだ何気ない瞬間の数々が、今、新たな輝きを帯びて立ち現われる。批評でもありエッセイでもある、さらには小説や詩のようでもある、叙情的な日本論!

 

絶賛発売中:『Wあるいは子供の頃の思い出』

2013年 11月 12日

W Wカバーあるいは子供の頃の思い出

ジョルジュ・ペレック/酒詰治男訳

《フィクションの楽しみ》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/236頁/定価=2800円+税
978-4-89176-995-6 C0097 好評発売中!

 

13歳の少年が幻視する、オリンピック国家
W
(ドゥブルヴェ)のグロテスクな機構


少年時代の回想がときに微笑ましく、ときに哀切に綴られる「子供の頃の思い出」。世界の涯に位置し、オリンピックの理想がすべてを、個人の自由意思までをも支配する島の冷酷無慈悲な実体を描く「W」。

相異なる二種類のテクストが並行して進む、その先に横たわる全人類の悲劇とは……?

虚構と現実、歴史と記憶とが〈読むことによって〉架橋される、珠玉の読書体験を実現する平行世界モノの白眉にして、鬼才ジョルジュ・ペレックの痛切な自伝的小説!

 

2013年 11月 12日

kenji絵本で読みとく宮沢賢治

中川素子/大島丈志編

A5版上製/272頁/定価3500円+税
978-4-89176-987-1  C0095 絶賛発売中

 
没後80年——賢治作品の新たな魅力を探る

現代美術研究者、日本語・日本文学研究者、絵本学者、美術館学芸員、絵本編集者などさまざまな分野の執筆陣が画像化・絵本化された賢治ワールドを多彩な視点から読みとく。

すきとおったほんとうのたべもの 松田素子
宮沢賢治童話にみる夜の光と色の視覚化 久保村里正
抽象美術家による宮沢賢治童話の絵本化 中川素子
「雪わたり」からみる国語教育と賢治絵本 山本純子
いわさきちひろのなかに息づく宮沢賢治 上島史子
イメージの選択「銀河鉄道の夜」の場合 今田由香
絵本『気のいい火山弾』を考える 鈴木健司
小林敏也と「画本宮沢賢治」 笹本純
「注文の多い料理店」の絵本化に関する三つの考察 大島丈志
片山健と『狼森と笊森、盗森』 石井光恵
小林敏也『ポラーノの広場』を謎解きする 赤田秀子
賢治童話の絵本化 関口安義
「グスコーブドリの伝記」との「出会い」に絵本はどう関われるのか? 近藤研至
「銀河鉄道の夜」の映像化 加倉井厚夫
文字の絵本 風の又三郎 和田直人
ワークショップで表現する宮沢賢治の世界 齋藤正人
絵で表現することからはじめる「風の又三郎」の楽しみ方 清水早知子
「宮沢賢治絵本リスト」とその作成 藤倉恵一

 

絶賛発売中:『ブーニンの「眼」』

2013年 11月 12日

ブーニンーニンの「眼」
イメージの文学


宮川絹代
A5版上製/432頁/定価6000円+税
978-4-89176-984-0  C0098 絶賛発売中

 

すべては一瞬、すべては閃光……すべての中に美がある、美が!

ロシア初のノーベル文学賞詩人にして小説家のイワン・ブーニンの恋愛小説集『暗い並木道』『日射病』『ミーチャの恋』『最も美しい太陽』などを中心に恋愛、記憶、死を〈イメージ=具体的表象〉の視点から浮き彫りにしブーニン文学の不可視な本質にせまる。

 

絶賛発売中:『中上健次の「ジャズ」』

2013年 11月 12日

ƒJƒo[‘S‘́I中上健次の「ジャズ」

安岡真
四六判上製/256頁/定価=2800円+税
978-4-89176-993-2 C0095  絶賛発売中!
装幀=野本卓司

 

中上にとって「ジャズ」とは何か? 

戦後生まれで初の芥川賞受賞者である中上健次。
彼の土台にあったもの、そしてたどりついたものはいったい何か?
ジャズ、芸能、神話、古典から中上の〈根〉を探る。

 

 

10月の新刊:『コミュニズムの仮説』

2013年 10月 23日

4891769890コミュニズムの仮説

アラン・バディウ/市川崇訳
四六判上製/267頁/定価=3000円+税
978-4-89176-989-5 C0010  10月25日頃発売!
装幀=宗利淳一

 

21世紀の〈共産主義〉を闘え!

パリ・コミューン、文化大革命、五月革命……それらは果たして「敗北」だったのか? コミュニズムの「理念」の復権を試み、解放の政治の可能性を問う〈論争的〉状況論。



関連書
C. ドゥージナス+S. ジジェク 共産主義の理念      4500円+税
A. バディウ+N. トリュオング 愛の世紀         2200円+税
A. バディウ サルコジとは誰か?             2200円+税

 

 

10月の新刊:『さよならは何度でも』

2013年 10月 18日

‚³‚æ‚È‚çƒWƒƒƒP“üeŒ©–{さよならは何度でも
ガンと向き合った医師の遺言

 
ダヴィッド・セルヴァン=シュレベール/二瓶恵訳
四六判並製/190頁/定価1500円+税
978-4-89176-985-7 C0047 10月25日頃発売予定
装幀=齋藤久美子

 

優しさと感動に溢れたガン闘病記 

ガンが発見されて以来、自ら考案した「ガン克服」法を実践し、人生を賭けてガンと闘ったフランス人医師が遺した最後の言葉。家族や友人たち、すべての愛しいひとたちに〈さよなら〉を告げる希望に溢れたメッセージ。

 

「悲しい本というわけではない。だが、読み終わると胸が締め付けられる」

《Sud Ouest Dimanche》

 

「著者は大胆さと謙虚さ、そして溢れんばかりの愛情をもって闘い抜いた」

《Elle》

 

「勇気溢れるこの本は、われわれに人生を精一杯生きるためのの力を与えてくれる」

《Gala》

 

「読者たち、同じ病気で苦しんでいる人たち、家族、そしておそらくは医師たちに向けて、本当に伝えたかった人生の教訓がちりばめられた1冊」

《Le Quotidien du médecin》

 

『長崎』刊行記念:エリック・ファーユさんトークイベント

2013年 10月 18日

9月下旬に小社より刊行された『長崎』の作者、エリック・ファーユさんのトークイベントを行います。

『長崎』は、日本で実際に起きた出来事を題材とし、長崎を舞台とした異色の現代フランス文学です。原書は2010年にアカデミー・フランセーズ小説大賞を受賞し、フランスでは30万部をこえるベストセラーとなりました。

作者のエリック・ファーユさんは日本ではまだほとんど知られていませんが、大の日本びいき。『長崎』でも、有明海の風景や、市街を走る路面電車、番茶からコンビニ弁当まで、さまざまなギミックが駆使され、記者出身の小説家ならではの綿密な取材にもとづく、リアルだけれどちょっと奇妙な小説世界が展開されています。

今回は訳者の松田浩則さんに聞き手と通訳をつとめていただき、『長崎』誕生の舞台裏、フランス人にとっての日本のイメージ、これからの文学のありかたなどについて、フランスの小説家としての視点から語っていただきます。

 


 

『長崎』刊行記念:エリック・ファーユさんトークイベント

フランス語で日本を書くということ 

日時:2013年11月1日(金)19:00〜

会場:西武池袋本店別館9階 池袋コミュニティ・カレッジ28番教室

参加チケット:1000円(税込)

チケット販売場所:西武池袋本店書籍館地下1階リブロリファレンスカウンター

ご予約・お問合せ:リブロ池袋本店 03-5949-2910

※お電話でご予約いただくか、販売場所にてチケットをお求めください。

 
[講師紹介]
エリック・ファーユ(Éric Faye)1963年、リモージュ生まれ。ロイター通信の記者として勤務しながら、1990年より創作活動に入る。主な著書に、『わたしは灯台守』(Je suis le gardien du phare, 1997)、『雨の海クルーズ』(Croisière en mer des pluies, 1999)、『痕跡のない男』(L’Homme sans empreintes, 2008)などがある。本書『長崎』は、『朝日新聞』の2008年5月の記事に着想を得、日本での綿密な調査ののち、2009年2月から2010年4月にかけて執筆された。

 松田浩則(まつだひろのり)
1955年、福島県いわき市生まれ。神戸大学大学院人文科学研究科教授。主な著書に、『ポール・ヴァレリー『アガート』訳・注解・論考』(共著、筑摩書房、1994年)、主な訳書に、ミシェル・トゥルニエ『海辺のフィアンセたち』(紀伊國屋書店、1998年)、ドニ・ベルトレ『ポール・ ヴァレリー』(法政大学出版局、2008年)などがある。

詳細はリブロ池袋本店のウェブページをご覧ください(

 



 

長崎カバー長 崎

エリック・ファーユ/松田浩則訳

装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/142頁/定価=1800円+税
978-4-89176-988-8 C0097 好評発売中!

侵入した女は何者なのか――

 平凡な独身男性シムラは、ある日、自宅の押し入れに見知らぬ女が潜んでいることを知る。彼女はシムラに気づかれることなく、一年にわたってそこに住み続けていたというのだ。やがて少しずつ、彼女の過去が明らかになってゆく……。

舞台は現代の長崎。有明海の風景や、市街を走る路面電車、炊飯器からコンビニ弁当まで、さまざまなギミックが駆使され、リアルだが、どこか奇妙な小説世界が展開される。実際に起きた出来事を題材として、現代社会に生きる人々の孤独な宿命を描きだす、気鋭の著者の意欲作!

 

 

受賞報告:『ユダヤ小百科』

2013年 10月 18日

小社より昨年刊行された『ユダヤ小百科』(ユーリウス・H・シェプス編)が、日本翻訳家協会による第49回日本翻訳出版文化賞《翻訳特別賞》を受賞いたしました。(2013年9月10日発表。10月12日授賞式)賞を与えてくださった日本翻訳家協会、および鈴木隆雄先生をはじめとする訳者の方々に感謝いたします。


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編者=ユーリウス・H・シェプス
訳者=石田基広+唐沢徹+北彰+鈴木隆雄+関口宏道+土屋勝彦+西村雅樹+野村真理+原研二+松村國隆

A5判上製函入/1232頁/定価=28000円+税/装幀=齋藤久美子
978-4-89176-922-2 C0522 好評発売中


*少部数の刊行となります。店頭で見つからない場合はご注文ください。

世界の文化と歴史に大きな影響を与えつづけてきた
〈ユダヤ〉に関わる事象を、その発生から現代にいたるまで、
歴史、宗教、政治、言語、文学、美術など、
あらゆる領域にわたって網羅した小項目の決定版事典。
図版・表・地図・写真などの豊富な資料、および文化的背景への
理解を深めるための小論文32篇を付す。
研究者はもちろん、一般読者にも必携の1冊です。

* なお、翻訳者に与えられる第50回日本翻訳文化賞には檜枝陽一郎編訳・読解『中世オランダ語 狐の叙事詩』(言叢社)が、また、出版社に与えられる第49回日本翻訳出版文化賞には早川書房刊『チューリングの大聖堂 コンピュータの創造とデジタル世界の到来』(ジョージ・ダイソン著、吉田三知世訳)、平凡社刊『完訳 日本奥地紀行』全4巻(イサベラ・L・バード著、金坂清則訳注)が受賞しております。
また、小社(『ユダヤ小百科』)と同時受賞となった《翻訳特別賞》には、小塩トシ子訳『オーロラ・リー ある女性詩人の誕生と成熟の物語』(エリザベス・バレット・ブラウニング著、九州大学出版会)が受賞しております。おめでとうございます!

詳細は日本翻訳家協会のホームページをご覧下さい

 

10月の新刊:『別れ』

2013年 10月 11日

別れ=書影別 れ

フアン・カルロス・オネッティ/寺尾隆吉訳
装幀=宗利淳一デザイン

四六判上製/168163頁/定価=2000円+税
978-4-89176-953-6 C0397 10月11日頃発売予定

 

〈フィクションのエル・ドラード〉 第4回配本はウルグアイの作家フアン・カルロス・オネッティの『別れ』(「この恐ろしい地獄」「失われた花嫁」の傑作短編を含む)をお届けします。


オネッティは書くという魔法によって、挫折を勝利に変えた。(マリオ・バルガス・ジョサ)

田舎町のホテルにひとりの男がやってきた。無愛想な人柄……若い娘との待ち合わせ……妻子の来訪…… 町人たちは噂し、疑り深い語り手は男の背景にひとつの物語を紡いでいくのだが……
語り手の視点から言葉巧みに読み手を作品世界へと誘い、作者自らこの作品を偏愛した秀逸な中編。

表題作のほか、モンテビデオで起きた実話を憎愛と復讐の物語へと変貌させた「この恐ろしい地獄」。婚礼というオブセッションに取り憑かれた狂女を幻想的に描いた「失われた花嫁」の傑作短編を収録。

 

〈フィクションのエル・ドラード〉
世界文学に依然として強烈なインパクトを放ち続けるラテンアメリカ文学。いまだ紹介されていない才能ある作家たちや評価の定まった巨匠たちの、とりわけ想像力に富む小説(フィクション)を中心に厳選し、文学シーンの最前線をお届けするシリーズです。

 既刊好評発売中 (価格税別)

セルヒオ・ラミレス『ただ影だけ』……2,800円

フアン・ホセ・サエール『孤児』……2,200円

ホセ・ドノソ『境界なき土地』……2,000円

 

 

10月の新刊:『ヘブライ人キリスト』

2013年 10月 11日

ヘブキリカバーヘブライ人キリスト

――福音書はいかにして成立したか

クロード・トレスモンタン/道躰章弘訳
A5判上製/364頁/定価5000円+税
ISBN978-4-89176-994-9 C0016 10月中旬発売予定!

 

福音書はヘブライ語で書かれた!

数世紀来、ギリシャ語で書かれた文書であるとの説が自明視されてきた新約聖書。しかし、福音書のテクストを厳密に読みほどくうちに、ヘブライ語文書にしか見られないはずの表現が散見されはじめた……。
フランス語、ギリシャ語、ヘブライ語を往還しながら、新約聖書の内奥に隠された真の姿「ヘブライ語文書」へと肉迫する、キリスト教研究の新たな境地を切り拓く画期的論考。

 

 

9月の新刊:『これは小説ではない』

2013年 9月 20日

これは小説ではない書影4cこれは小説ではない

デイヴィッド・マークソン/木原善彦 訳

装幀=宗利淳一
四六判上製/320頁/定価=2,800円+税
978-4-89176-986-4 C0097 9月27日頃発売予定

 

これは小説か、あるいは究極の反小説か?

作家、芸術家を襲う病気、狂気、不遇、死因……トリビアルな伝記的記述が積み重ねられていく、未曾有の〈死の類別目録〉小説。ジョイス、ベケットに比せられる実験的な米国小説家デイヴィッド・マークソンの「まったく物語のない小説」。

 

 

9月の新刊:『マラルメと音楽』

2013年 9月 20日

マラルメと音楽マラルメと音楽
――絶対音楽から象徴主義へ

黒木朋興
A5判上製/504頁/定価=7000円+税
978-4-89176-981-9 C0098 9月25日頃発売予定
装幀=齋藤久美子



〈音楽〉の追求、あるいは文学への裏切り。

象徴主義を代表する詩人マラルメ、その韜晦な詩句は〈音楽〉といかなる関係をとり結んでいたのか? ヴァーグナーによる〈絶対音楽〉との影響から、ハンスリックら当時の音楽学者の理論を丹念に洗いなおすことにより、詩人と〈音楽〉の関係を刷新する意欲的な論考。


関連書
〔価格税別〕

マラルメの〈書物〉 清水徹 2000円
祝祭としての文学  佐々木滋子 5000円
世紀末の白い爆弾 中畑寛之 8000円
〈彼女〉という場所 永倉千夏子 12000円