1月の新刊:『マクシム・アレクサンドル』(シュルレアリスムの25時)

2012年 1月 13日

e382a2e383ace382afe382b5e383b3e38389e383abe382abe38390e383bc_e585a5e7a8bf《シュルレアリスムの25時》待望の続刊!
鈴木雅雄

マクシム・アレクサンドル 夢の可能性、回心の不可能性

四六判上製288頁/定価2800円+税
ISBN978-4-89176-769-3 C0398  1月20日頃発売


言語、宗教、シュルレアリスムによって
引き裂かれ続けた、永遠の漂流詩人!


人は、彼を、絶望を忘れることはない——ルイ・アラゴン


ユダヤ教/キリスト教、独語/仏語、夢/現実、
そしてシュルレアリスム……。あらゆるものに引き裂かれ、
その内部にも、外部にも生きることができないまま
詩を書き続けたマクシム・アレクサンドル。
シュルレアリスムが個人に何をもたらしたのか、もたらしうるのか、
ひとりの凡庸な詩人の足跡をたどりながら再考する試み。

理論的テクスト『個人的神話学』を収録!




さて、残すところ3週間たらずとなりました、
書店イベント「レーモン・クノーってだれ?」
当日は、〈レーモン・クノー・コレクション〉第4回配本、
『ルイユから遠くはなれて』(三ツ堀広一郎訳、本邦初訳)の
先行発売が決定しました!
クノーマニアも、クノーをはじめて読む方も、ふるって足をお運びください。

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レーモン・クノーってだれ?

豊崎由美(ライター)×塩塚秀一郎(フランス文学者)

作家? 編集者? ウリピアン? アマチュア数学者? 元シュルレアリスト? ガリマール社で百科全集の編集を担当し、マルセル・デュシャンやウンベルト・エーコも参加する秘教的な芸術研究集団《コレージュ・ド・パタフィジック》の中心的メンバーであり、奇妙キテレツな文学集団《ウリポ(潜在文学工房)》の発起人でもあり、またその作品もSFから偽名小説、自伝的小説など多岐にわたり、様々な顔を持つレーモン・クノー。一つの出来事を99通りのいい方で語った『文体練習』で知られる作家ですが、日本ではこれまで断片的にしか紹介されてこなかったこのクノーなる人物とはいったいどんな人なのか? そしてどんな(奇妙な?)作品を書いたのか?

さまざまなジャンルの小説を読破し、フリーライター、ウクレレ奏者、書評家とあらゆる顔を持つ豊崎由美氏と、普段は穏やかな大学の先生でありながら、不可能な翻訳に挑戦しつづける塩塚秀一郎氏。お二人に、クノーの、またその作品の魅力について、たっぷりと語っていただきます。

2012年1月28日(土)19時〜_
会場:西武池袋本店別館9階池袋コミュニティ・カレッジ28番教室_
定員:50名
参加チケット:1000円(税込)
チケット販売場所:西武池袋本店書籍館地下1階リブロリファレンスカウンター
お問合せ:リブロ池袋本店 03-5949-2910
くわしくはこちらをクリック→http://www.libro.jp/news/archive/002281.php

◆講師プロフィール:

豊崎由美(とよざき・ゆみ)
1961年生まれ。ライター、書評家。主な著書に『そんなに読んで、どうするの?』(アスペクト)、『どれだけ読めば、気がすむの?』(アスペクト)、『文学賞メッタ斬り!』(共著、パルコ出版)など。

塩塚秀一郎(しおつか・しゅういちろう)
1970年生まれ。パリ第三大学文学博士。現在早稲田大学理工学術院准教授。主な訳書に、ジョルジュ・ペレック『さまざまな空間』、『美術愛好家の陳列室』、『煙滅』、レーモン・クノー『あなたまかせのお話』など。

 

2012年のために、2011年の水声社

2012年 1月 6日

たしか昨年もアップしたような気がしますが、
ことしも昨2011年に刊行した小社の書籍一覧をアップします。
(『図書新聞』2012年1月1日号に掲載された広告データですが)

いずれも水声社ならではの、実質のある本ばかりです。
お買い逃しのありませんよう、お早めに!
(クリックすると拡大します)


suiseisha_2011all

 

《メルラーナ祭り in 立川》のご案内

2012年 1月 5日

旧年中は大変お世話になりました。
ぜひ本年も小社の刊行物へのご支援を賜りますよう
あらためてお願い申し上げます。




まずは書店イベントのご案内です。
昨年12月の刊行以来、その混沌たるエクリチュールで
読者をカオスに誘い込み、大きな話題となっている
C. E. ガッダ『メルラーナ街の混沌たる殺人事件』
刊行記念イベントのご案内です。
この世紀の怪著をすでに読破されたかたも、
あるいは現物の前で手をこまねいているかたも、
ふるって足をお運びください。

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『メルラーナ街の混沌たる殺人事件』(水声社)発売記念
和田忠彦さん×豊崎由美さん トークイベント

2.12 ORIONSHOBO-NORTE EVENT

『メルラーナ街の混沌たる殺人事件』の発売を記念して、
本書の解説を担当されたイタリア文学者の和田忠彦さんと、
発売の強い契機を作られた書評家の豊崎由美さんをお招きして、
トークイベントを開催いたします。

◆開催概要◆

日 時 + 2012年2月12日(日)16:00〜(開場15:30)

会 場 + オリオン書房ノルテ店 パークアベニュー3F
JR立川駅北口徒歩3分/多摩都市モノレール立川北駅徒歩1分

入場料
+ 500円

参加方法等の詳細は、オリオン書房のHP(→)、
もしくは以下の電話番号までお問い合わせください。
TEL. 042-522-1231(AM10:00〜PM9:00)

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merulanaカルロ・エミーリオ・ガッダ/千種堅訳

メルラーナ街の混沌たる殺人事件

四六判上製416頁/3500円+税
ISBN978-4-89176-859-1  C0097 絶賛発売中!
解説:和田忠彦
装幀:宗利淳一+田中奈緒子


ジョイス、プルースト、カフカに比肩する、
イタリア・ポストモダン小説の金字塔。

書評家・豊崎由美さんが偏愛し、
「復刊熱望
のツイートで大反響!
40年ぶりによみがえる奇跡の《改訳決定版》
旧版よりぐっと読みやすくなって、ついに刊行。


ムッソリーニ政権下のローマ。
成金街の宝石盗難事件—殺人事件。
奮闘する敏腕警部。
すったもんだに迷走する大捜査線。
混乱。
脱線。
紛糾。
そして、真犯人は……?


めくるめくドタバタ捜査劇の行方やいかに !?
これぞ《フィクションの楽しみ》をご堪能あれ!

 

年末年始の営業について

2011年 12月 27日

12月の営業は29日(木)をもって仕事納めとさせていただき、
新年は1月5日(木)より営業させていただきます。
年内にご注文いただいた書籍も、
搬入は年明けとなりますので、なにとぞご了承ください。
1年間、小社の刊行物をご愛読いただき、誠にありがとうございました。

本年は、3月11日の東北関東大震災をはじめとして、
世界史を揺るがす大きな災害、事件が多発しました。
20世紀的な世界が一掃され、
本格的に新たな時代に突入した感を深くしていますが、
それに動じることなく、
みなさまに楽しんでいただけるような書籍を刊行して参ります。
どうぞさらなる1年もお力添えをお願い申し上げます。
(編集部 Shi)

 

1月の新刊:『スペイン人とは誰か』

2011年 12月 27日

e382b9e3839ae382a4e383b3e4babae381a8e381afe8aab0e3818b012アメリコ・カストロ/本田誠二訳

スペイン人とは誰か——その起源と実像

A5判上製541頁/定価=8000円+税
ISBN 978-4-89176-885-0 C0022 1月上旬頃発売予定



レコンキスタ以前、〈スペイン〉は存在しなかった!

〈エスパニョール〉という語の起源を掘り起こし、
〈スペイン〉のアイデンティティを新たな観点から捉え返す。
スペイン史学・文学・語学など、〈スペイン〉に携わる
すべての領域にとっての最重要文献!!




現代スペインを代表する歴史学者/文芸批評家が、
人文科学の広範な資料を渉猟し、
スペインとスペイン人の起源を根底からくつがえす
〈新たな真実〉を論証する。
スペイン本国で大論争をまきおこした
『外来語としての〈エスパニョール〉』
そして
『スペイン人はいかにしてスペイン人となったか』
の2冊を併録。

 

12月の新刊:『桜三月散歩道』

2011年 12月 20日

nagatani長谷邦夫

桜三月散歩道 あるマンガ家の自伝

四六判上製総432頁(別丁図版16頁)/定価3500円+税
ISBN 978-4-89176-887-4 C0095 12月22日頃発売!
装幀:宗利淳一+田中奈緒子


数々の《伝説》を生んだパロディ・マンガ家の、
そのありのままの半生記——怒濤の書き下ろし1000枚!


赤塚不二夫、手塚治虫、石ノ森章太郎との出会いと別れ。
山下洋輔、タモリ、筒井康隆、井上陽水ら、異能たちとの交友——。
その誕生から現在にいたるまでの歩みこそが、
戦後サブカル史そのものでもあるような七十有余年!
秘蔵写真30点以上掲載!



【イベント情報】

来る1月27日(金)、ミュージシャン、音楽批評家として活躍中の
サエキけんぞうさんプロデュースによるチャリティーイベントで、
長谷邦夫さんと南伸坊さんの対談、さらにサイン会が実現!
『COM』と『ガロ』という戦後文化を画期した2大コミック誌をめぐって、
貴重なセッションになることうけあいです。ふるってご参加ください! 

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《東日本大震災チャリティー》

私の龍馬イラスト展 in お江戸オープニングパーティー

@森下文化センター(東京都江東区。会場はここをクリック→

2012年1月27日(金)

開場17時/開演18時
(龍馬イラスト展は9時より、物販は17時より開始いたします。)

予約1700円/当日2000円

◎出演:サエキけんぞう 島田虎之介 しりあがり寿 花くまゆうさく
長谷邦夫 南伸坊 手塚能理子 その他イラスト展参加作家多数

◎特別トークセッション

「時代を切り開いた先駆者たち〜ガロ・COM——マンガの時代」

〈出演〉南伸坊 × 長谷邦夫 〈進行役〉サエキけんぞう

日本マンガの黎明期を象徴する二大雑誌をテーマに
関係者、作家、愛読者が三つ巴で繰り広げるトークセッション。
龍馬が新時代を切り開いたように、日本のマンガ界では
『ガロ』と『COM』がその先駆者となった。
日本マンガに夜明けは来たのか!?

◎ライブペインティング大会
お題を元に、漫画家がその場で書き下ろし。
どんな名作、珍作が誕生する!?
その他、出品作家の著作即売及びサイン会、
プレゼント大会ほか出し物盛りだくさん。乞うご期待!
(イベント協力/青林工藝舎)

 

12月の新刊:『昭和あるいは戯れるイメージ』

2011年 12月 20日

showa淺沼圭司

昭和あるいは戯れるイメージ

——『青い山脈』と『きけ わだつみのこえ』
四六判上製250頁/定価2800円+税
ISBN 978-4-89176-889-8 C0095 12月下旬発売予定

イメージとしての〈昭和〉。
そして、自己と他者の記憶、不在の体験を想起し
その時代の心性をテクスト化するイメージ論。


《現在のイメージ状況のなかにあって、その状況を超えたことばを発することは、
あるいは既存のイメージ体系に依拠しない、
あたらしいモデル=イメージを創出することはもはや不可能なのだろうか。》

 

12月の新刊:『ロラン・バルト』『ロートレアモンと文化的アイデンティティー』『オイリュトミーが育むこころとからだ』

2011年 12月 19日

12月に刊行予定の新刊ラッシュはまだ続くのですが、
まずは海外文学/思想のこの3冊から。
いずれも12月22日頃から全国の書店に配本予定です。



barthes桑田光平

ロラン・バルト——偶発事へのまなざし

四六判上製243頁/定価=2500円+税
ISBN 978-4-89176-886-7 C0098  12月22日頃発売
装幀=宗利淳一+田中奈緒子


文学、この危険な横断——。

『水声通信』連載分へ大幅に加筆修正、
俊英の手になる瞠目のバルト論。


《バルトの「私」は軽い。それは、新しい「私」を求める軽さである。だが、その根底には、「私」にまとわりつく意味への疲労がある。疲労した「私」は、エクリチュールを通して「私」をいくらか放棄することで、意味もいくらか放棄しようとする。しかし、どれだけ「私」を放棄しても、「私」であるという感覚からは逃れることができない。それは再び疲労の源泉となる。この無限に続く弁証法が「テクスト」と呼ばれるものを産出したのであり、この運動それ自体を、バルトは「テクスト」と呼んだのである。》——本書より

【目次】

Ⅰ「始まり」をめぐって

疲労について
いかにして共に生きるか
どこから始めるべきか

Ⅱ「イメージ」をめぐって
まなざしについて
〈モアレ〉のまなざし
イメージの休息——ダニエル・ブーディネの写真
『偶発事』、あるいは落葉拾い
サイ・トゥオンブリ、あるいは脱ぎ落とされたズボン

Ⅲ「教育」をめぐって

教育の余白——ぼんやりとしながら……
セミナー「恋愛のディスクール」を読む
(1)方法について
(2)テクストからモアレへ
(3)パリノーディアー
(4)終わりなきエクリチュール

Ⅳ「ロラン・バルト」をめぐって
詩人バルト?
中国のバルト
テクストと実存

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lautreamontレイラ・ペロネ=モイセス+エミール・ロドリゲス・モネガル
寺本成彦訳

ロートレアモンと文化的アイデンティティー

——イジドール・デュカスにおける文化的二重性と二言語併用

A5判上製174頁/定価=2500円+税
ISBN 978-4-89176-860-7 C0098  12月22頃発売

ロートレアモンを読み換える、〈南米〉からの声。

14歳で渡仏したウルグアイ出身のイジドール・デュカス。
その彼がスペイン語を話せないわけがない!
いままで不問のまま放置されたバイリンガルの問題に焦点をあて、
詩人の本質に肉薄する意欲的な研究。

《イジドール・デュカスは、ウルグアイ人であった。そのこと自体は誰にとっても、まったく耳新しいことではない。少なくとも逸話としてなら。このよく知られた事実〔……〕から、他の事実が導き出されてくる。デュカスはバイリンガルであったに違いないのだ。信憑性のある仮説として考えられているにもかかわらず、文学上の結果に対してその事実が持つインパクトは——完全にとまではいわないまでも——ほとんど忘れ去られてしまっている。〔……〕それゆえ、彼が流暢にスペイン語を話したということを認めるべきなのだ。それは常識的な問題に他ならなかったのだ。》

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oiryutomii秦理絵子

オイリュトミーが育むこころとからだ——動きの教育学

A5判上製154頁/定価=2200円+税
ISBN 978-4-89176-884-3 C0073 12月22日頃発売




イリュトミー100年!

本邦初のオイリュトミー教育/芸術論。

オイリュトミーが子どもたちの様々な感覚に働きかけ、
その成長をいかにひきだすか。
——シュタイナー学校のカリキュラムの展開にそって
オイリュトミーの教育的可能性をさぐる。

 

今月の新刊:『赤外線』『『ユリシーズ』と我ら』『ジュリアン・グラック』

2011年 12月 13日

今月は年末ということもあって、小社も新刊ラッシュなのですが、
まずは 19日ごろ配本予定の話題作3冊をまとめてお知らせします。



e8b5a4e5a496e7b79a002ナンシー・ヒューストン/いぶきけい訳

赤 外 線

四六判上製360頁/定価2800円+税
ISBN 978-4-89176-854-6 C0097 12月19日頃発売!



世界を駆けめぐる写真家の自由奔放な男性遍歴。


わたしを貫く男たちの
あの瞬間を赤外線カメラで撮る——
女の視点から男の性をあからさまに描き,
フランスでセンセーショナルな話題を呼んだ,
バイリンガル作家の過激な最新小説。

▼ナンシー・ヒューストンの本
〈既刊〉『暗闇の楽器』(永井遼・いぶきけい訳) 定価2800円+税
〈近刊〉『草原讃歌』(永井遼訳) *乞うご期待!

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e383a6e383aae382b7e383bce382ba004デクラン・カイバード/坂内太訳

『ユリシーズ』と我ら——日常生活の芸術

A5判上製392頁/定価5000円+税
ISBN 978-4-89176-853-9 C0098 12月19日頃発売!



「難解なジョイス」という神話を崩す。
マリリン・モンローをも魅了した『ユリシーズ』。
アイルランド文学・演劇研究の第一人者が
20世紀最大の作家ジョイスの代表作を
〈身体〉という視点から自在に読み解く。

●『ユリシーズ』の全18章を, 「目覚める」「歩く」
「食べる」「夢見る」などといった人間の日常の, 主として
身体的な行為で読み解いていることは独創的であり,
平易な言葉で深い含意を伝えていることも特筆に値する。
〔……〕『ユリシーズ』のいずれか一つの章に特化した
研究論文は世に無数にあるが, 統一的な視点で,
抽象的な概論に陥らず, 具体的に詳しく全章を
読み通す議論は稀である点でも,
『「ユリシーズ」と我ら』は突出している。——「訳者あとがき」より


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e382b0e383a9e38383e382af005別冊水声通信第2号

ジュリアン・グラック

A5判並製264頁 定価2500円+税
ISBN 978-4-89176-850-8 C0098 12月19日頃発売!



生誕百年を迎え、新たな観点で論じられつつある、
二十世紀フランス文学の重鎮ジュリアン・グラック
「最後の古典作家」の散文のダイナミズムと現代性を浮き彫りにすべく、
グラックのテクストのほか、日仏の著者・研究者による詩・エッセイ・論文、
およびインタビュー記事や略年譜/著作解題などの資料を満載。

[執筆]——ジュリアン・グラック、ミシェル・トゥルニエ、
ピエール・ミション、ドミニク・ラブルダン、ミシェル・ミュラ、
パトリック・マロ、マリアンヌ・ロレンジ、天沢退二郎、安藤元雄、
堀江敏幸、塚本昌則、永井敦子、三ツ堀広一郎。

 

〈レーモン・クノー・コレクション〉刊行記念イベントのご案内

2011年 12月 12日

小社より絶賛刊行中の〈レーモン・クノー・コレクション〉全13巻の
刊行を記念したイベントが開催されます。
クノーについては一家言あるかたも、このシリーズではじめてクノーに
触れたかたも、ぜひぜひふるって足をお運びください。


レーモン・クノーってだれ?

豊崎由美(書評家)× 塩塚秀一郎(フランス文学者)

作家? 編集者? ウリピアン? アマチュア数学者? 元シュルレアリスト?
ガリマール社で百科全集の編集を担当し、マルセル・デュシャンやウンベルト・
エーコも参加する秘教的な芸術研究集団《コレージュ・ド・パタフィジック》の
中心的メンバーであり、奇妙キテレツな文学集団《ウリポ(潜在文学工房)》の
発起人でもあり、またその作品もSFから偽名小説、自伝的小説など多岐にわたり、
様々な顔を持つレーモン・クノー。

一つの出来事を99通りのいい方で語った『文体練習』で知られる作家ですが、
日本ではこれまで断片的にしか紹介されてこなかったこのクノーなる人物とは
いったいどんな人なのか? そしてどんな(奇妙な?)作品を書いたのか?

さまざまなジャンルの小説を読破し、フリーライター、ウクレレ奏者、書評家と
あらゆる顔を持つ豊崎由美さんと、普段は穏やかな大学教師でありながら、
不可能な翻訳に挑戦しつづける塩塚秀一郎さん。お二人に、クノーの、
またその作品の魅力について、たっぷりと語っていただきます。

◎ 2012年1月28日(土)19時〜_


◎ 会場
:西武池袋本店別館9階池袋コミュニティ・カレッジ28番教室_

◎ 定員
:50名

参加チケット:1000円(税込)

チケット販売場所:西武池袋本店 書籍館 地下1階 リブロリファレンスカウンター

お問合せリブロ池袋本店 03-5949-2910
くわしくはこちらをクリック→(



【講師プロフィール】

豊崎由美(とよざき・ゆみ)
1961年生まれ。ライター、書評家。主な著書に『そんなに読んで、どうするの?』(アスペクト)、
『どれだけ読めば、気がすむの?』(アスペクト)、『文学賞メッタ斬り!』(共著、パルコ出版)など。

塩塚秀一郎(しおつか・しゅういちろう)
1970年生まれ。パリ第三大学文学博士。現在早稲田大学理工学術院准教授。主な訳書に、
ジョルジュ・ペレック『さまざまな空間』、『美術愛好家の陳列室』、『煙滅』、
レーモン・クノー『あなたまかせのお話』など。

 

12月の新刊:『メルラーナ街の混沌たる殺人事件』

2011年 11月 29日

merulanaカルロ・エミーリオ・ガッダ/千種堅訳

メルラーナ街の混沌たる殺人事件

四六判上製416頁/3500円+税
ISBN978-4-89176-859-1  C0097 12月5日頃発売!
解説:和田忠彦
装幀:宗利淳一+田中奈緒子


ジョイス、プルースト、カフカに比肩する、
イタリア・ポストモダン小説の金字塔。

書評家・豊崎由美さんが偏愛し、
「復刊熱望
のツイートで大反響!
40年ぶりによみがえる奇跡の《改訳決定版》
旧版よりぐっと読みやすくなって、ついに刊行。


ムッソリーニ政権下のローマ。
成金街の宝石盗難事件—殺人事件。
奮闘する敏腕警部。
すったもんだに迷走する大捜査線。
混乱。
脱線。
紛糾。
そして、真犯人は……?


めくるめくドタバタ捜査劇の行方やいかに !?
これぞ《フィクションの楽しみ》をご堪能あれ!


 

12月の新刊:『ドリス・レッシングを読む』

2011年 11月 28日

lessing大社淑子

ドリス・レッシングを読む

四六判上製272頁/3000円+税
ISBN978-4-89176-883-6  C0098 12月2日頃発売!
装幀:齋藤久美子


アフリカ、SF、コミュニズム、そして性愛。
いま、レッシング文学の扉がひらく——。


旺盛な想像力を駆使した多彩な作品で知られる、
2007年度ノーベル文学賞受賞作家、ドリス・レッシング。
半世紀以上におよぶ彼女のほぼ全作品を読み解き、
その本質に肉薄する、待望の作家論にして読書ガイド。



【ドリス・レッシングの本】
生存者の回想 大社淑子訳…………2200円
シカスタ 大社淑子訳………………3800円
暮れなずむ女 山崎勉訳……………2500円

 

編集部より:映画『阪急電車』と水声社

2011年 11月 25日

突然ですが、今春、全国でロードショー公開されて大好評を得た、有川浩さん原作、中谷美紀さん、戸田恵梨香さん出演の映画『阪急電車 片道15分の奇跡』をご覧になったかたも、少なくないことと存じます。わたくし編集某も関西出身なので懐かしく観たものでしたが、この映画にスピンオフ作品があるのをご存知でしょうか? それが、テレビ等で放映されて話題になった『阪急電車 片道15分の奇跡 征志とユキの物語』です。

hankyuこの作品は、原作に描かれていながらオミットされた、征志(永井大さん)とユキ(白石美帆さん)、ふたりの恋のはじまりとその行方を追ったファンタスティックな短篇ドラマなのですが、じつはこのなかに、水声社も出演しているのです!

舞台が図書館という非常にブッキッシュな物語だけに、「本」がふたりの恋の重要な小道具となります。主人公たちはSFがお好きなようで、早川書房さんの本が人気なのですが(笑)、征志さんのほうは、なんと小社の演劇関連書を2冊も手にしてくれています。いやー、こんなところにも読者がいたとは、うれしいことですよ。さあ、どの本のことか、お分かりになったかたはエラい。すごい。

ということで、このたびDVD化された『阪急電車 片道15分の奇跡 征志とユキの物語』、エンドロールにはしっかり小社もクレジットされていますので、ぜひぜひご覧になってみてください。本編26分に特典映像が17分で、お値段も1900円+税と、とてもリーズナブルですよ!(編集某)

*小社の単行本を抜擢してくださった東條政利監督(本作では監督助手)のご配慮に感謝します。

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11月の新刊:『コンテンツ批評に未来はあるか』

2011年 11月 18日

content_cover波戸岡景太

コンテンツ批評に未来はあるか

四六判上製232頁/2500円+税
ISBN978-4-89176-882-9  C0095 11月21日頃発売



ここから世界を書き換えろ!

データベース化が進行し、人間と社会とが
ますます乖離してゆく現在、
《コンテンツ》はどのように語りうるのか?
村上春樹や『シュタインズ・ゲート』、エミネム、
『もののけ姫』にいたる多彩な表現を通して、
この《21世紀》を新たに読み直すための果敢な実践。



《実体と記憶と起源。およそすべての文化的営みは、
これら抜きでは語れない。そして、コンテンツという概念は、
これら三者の結びつきが欠落した世界の可能性を示唆する。
はたして、その世界は私たちの「未来」なのか。
コンテンツ批評のこれからを考えることは、
私たちの世界を再考することを意味するのだ。》——本文より



【ジュンク堂書店池袋店でトークイベント開催!】


会場……ジュンク堂書店池袋本店 4階喫茶にて。入場料1,000円(ドリンク付)
定員……40名
受付……1階サービスカウンターにて。電話予約承ります。
TEL. 03-5956-6111/ FAX.03-5956-6100

http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk.html#20111020ikebukuro

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波戸岡 景太『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)刊行記念

コンテンツ批評とはなにか?

波戸岡 景太(アメリカ文学者)× 大澤 真幸(社会学者)

2011年12月8日(木)19:30~

「コンテンツ」は、デジタル化が進行する現在のメディア状況のなかで、
おそらくもっとも流布しているキータームです。
これは、映像であれ楽曲であれテキストであれ、その作り手と受け手との
あいだをとりもつメディアが発達し、多様化した結果、
逆説的に売り買いされることになった作品の、「中身」「実質」「意味」を
あらわす言葉ですが、では、その「コンテンツ」を「批評する」とは、
具体的にどういうことでしょうか?
今回は、アメリカ文学者の波戸岡景太さんの新著、
『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)刊行※を記念して、
いま論壇にもっとも精力的に発言している社会学者・大澤真幸さんをゲストに、
アニメ化も話題のゲーム『シュタインズ・ゲート』から、
アメリカ現代文学の最高峰トマス・ピンチョンの世界に至る、
幅広いコンテンツの〈群れ〉を対象に、
新世紀の「批評」を対話的に実践する試みとなります。

波戸岡景太(はとおか・けいた)
1977年、神奈川県に生まれる。明治大学准教授。専攻、アメリカ文学。
著書に、『ピンチョンの動物園』(水声社)、『オープンスペース・
アメリカーー荒野から始まる環境表象文化論』(左右社)がある。

大澤真幸(おおさわ・まさち)
1958年、長野県に生まれる。社会学者。月刊誌『THINKING「O」』主宰。
著書に『身体の比較社会学』(I・II、勁草書房)、『増補 虚構の時代の果て』
(ちくま学芸文庫)、『文明の内なる衝突』(NHKブックス)などがある。

 

11月の新刊:『最後の日々』

2011年 11月 15日

rqefbc8fe69c80e5be8ce381aee697a5e38085_coverレーモン・クノー・コレクション2

最後の日々

宮川明子訳
4/6判上製288頁/定価2500円+税
ISBN978-4-89176-862-1  C0397 11月30日頃発売!


歴史に埋もれた、小さな物語たち

冴えない哲学科の大学生たちとカフェに集う老人たち。
時に交錯し、時にすれ違う彼らの運命を、
星占いで予言しながら見守るカフェのボーイ。
彼らの最後の日々を描きながら、
第二次大戦前の不穏なパリの雰囲気を伝える、クノーの自伝的小説。
【本邦初訳!】

*レーモン・クノー・コレクション次回配本は、
2012年1月末頃、『ルイユから遠くはなれて』を配本予定です。

*『地下鉄のザジ』『サリー・マーラ全集』『聖グラングラン祭』も絶賛発売中!


*日本ウリポ史に残る特典付き! 全巻ご購読の予約の締め切り迫る!
以上、くわしくはこちら→

*すぐれた着眼と批評性のある企画を続々刊行している月曜社さんの人気ブログ、
「ウラゲツ☆ブログ」()でも、ご紹介いただきました。
Kさん、いつもありがとうございます!
クノーが新刊で読めるのは、いまや小社と月曜社さんだけかも!?

 

11月の新刊『歴史とエクリチュール』

2011年 11月 15日

e6adb4e58fb2e381a8e382a8e382afe383aae38381e383a5e383bce383abクリスチアン・ジュオー著
嶋中博章・杉浦順子・中畑寛之・野呂康訳

歴史とエクリチュール

A5判上製304頁/定価4000円+税
ISBN 978-4-89176-858-4 11月15日発売

フランス気鋭の歴史家、クリスチアン・ジュオーを本邦初紹介!

――文学作品は〈歴史〉となりうるか?
歴史資料/文学作品の背後にある〈行為〉を読み解き、
新たな歴史解釈の方法論を提示する。
日本で行われた講演、また彼の重要な論考を訳出し、
未発表論文のシムノン論を加えた日本オリジナル版に、
訳者による詳細な解説を付す。

『絶対王政期の文学的事象と政治社会的制度との関係について
注目すべき業績を挙げたクリスチアン・ジュオーの仕事が、
日本語で本格的に紹介される。十七世紀から二十世紀(ベンヤミン、シムノン)に
いたるまでの多彩な論考の秀れた翻訳と解説が、フランスにおける歴史研究の
最新の方法論的意識に接する機会をあたえてくれる。』――廣田昌義


—-
目次



講演
・マザリナード 著述家、出資者、公衆
・マザリナードと雑報――1652年、パリに流通した反ユダヤ文書群
・「太陽王」時代における政治権力の無力さと全能の力
・17世紀におけるエクリチュールと行為
――論争と論戦に関する研究のための方法論的展望

論考
・歴史と文学史の出会い――アラン・ヴィアラ著『作家の誕生』(注釈と批評)
・「実践の形式」における「国家理性」から、
ルーダンでの行為としての「国家理性」へ――歴史における時間の区分
・ベンヤミン、「偉大なる世紀」そして歴史家
――ひとつの仕事をふり返ること
・過去を見る/見ない――メグレと口の固い証人たち
・より高度な方法的意識の覚醒に向けて
――クリスチアン・ジュオーの認識と方法(野呂康)

 

11月の新刊:『スピノザとわたしたち』

2011年 11月 7日

spinoza_coverアントニオ・ネグリ/信友建志訳

スピノザとわたしたち

四六判上製218頁/2500円+税
ISBN978-4-89176-855-3  C0010 11月10日頃発売



この現代を《スピノザ的》に組成せよ!


スピノザという異形の運命に立ち戻り、
その批判的/転覆的意味、
および彼によって先取りされた《共》の哲学を、
現代思想に布置するための、ネグリ自身による、
最もラディカルなガイダンス。


訳者によるアクチュアルな解説を付す。

〈目次〉
序 章 スピノザとわたしたち
第1章 スピノザ——内在性と民主制の異端
第2章 力能と存在論——ハイデッガーかスピノザか
第3章 スピノザ政治思想の展開におけるマルチチュードと個別性
第4章 スピノザ——情動の社会学

解説「成功への希望は反乱の傾向を生じさせる」(信友建志)

 

10月の新刊:『サド全集第6巻 恋の罪、壮烈悲惨物語』

2011年 10月 25日

無削除/完訳でお届けする唯一無二のサド全集、
しばしの沈黙を破って、ついに配本……!


e382b5e38389e291a5私市保彦・橋本到訳

恋の罪、壮烈悲惨物語/サド全集第6巻

A5判上製・美麗箱入649頁/定価8000円+税
ISBN 978-4-89176-879-9 C0397 好評発売中!
*店頭で見当たらない場合はご注文ください。


恋の駆け引き、欲情、邪恋、嫉妬
近親相姦、多重相姦、姦通、凌辱
さらには政略結婚、野心と裏切り、策略……


美徳と悪徳の限りない対立が生み出す、
11の短編による凄絶なピカレスク絵巻、ありとあらゆる欲望の変奏曲。


完訳版サド全集(全11巻)既刊3冊、好評発売中

8 『アリーヌとヴァルクールあるいは哲学的物語』(上)原好男訳、定価4500円+税
9 『アリーヌとヴァルクールあるいは哲学的物語』(下)原好男訳、定価5500円+税
10
ガンジュ侯爵夫人』橋本到訳、定価3500円+税

 

10月の新刊『アメリカに響くパレスチナの声』

2011年 10月 25日

e382a2e383a1e383aae382abe38391e383ace382b9e38381e3838a_cover小泉純一著

アメリカに響くパレスチナの声

A5判上製257頁/定価3800円+税
ISBN 978-4-89176-851-5 C0098 10月25日頃発売



《全ての美しい詩は抵抗の行為である》——本文より

故郷を失った痛みに対して文学は何ができるのか。
——アメリカに生きるパレスチナ系の詩人ネオミ・シーハブ・ナイ、ダルウィーシュ、
そして文学者のサイードらがみた〈9・11〉、混迷の中東/アメリカ、
そこに生きる民衆・子どもたちの日々、死、そして希望。


目次

第1章 詩人ネオミ・シーハブ・ナイの素敵なところ
第2章 引き継がれるパレスチナの声と精神/ダルウィーシュ、サイード、ナイが作る星座
第3章 パレスチナとアメリカの中間地帯を歩く
第4章 〈9・11〉がナイに与えた声
第5章 ナイの政治的な詩
第6章 反対意見が存在する社会をつくるスヘール・ハマッド
付録  アラブ系アメリカ詩人、ネオミ・シーハブ・ナイから、自称テロリストたちへの手紙

 

書評:『プルースト的絵画空間――ラスキンの美学の向こうに』

2011年 10月 19日

今年の2月に刊行されました『プルースト的絵画空間』が書評で取り上げられました!
各媒体の皆様、どうもありがとうございます。

proust_cover真屋和子

プルースト的絵画空間 ラスキンの美学の向こうに

A5判上製/440頁/定価6500円+税
ISBN978-4-89176-822-5 C0098 好評発売中!


エルスチールのモデルは、ターナーだった。

これまで、モネなど印象派の画家をモデルとしている、
と考えられてきた『失われた時を求めて』の登場人物エルスチール。
プルーストに多大な影響を与えたイギリスの批評家ジョン・ラスキンの思想や、
同時代のさまざまな画家たちの作品とも比較しながら、
エルスチール=ターナーという新たな説を呈示し、
プルーストの芸術観・文学観を浮き彫りにする。

ターナーから
ホイッスラー
バーン=ジョーンズ
アングル
モロー
マネまで


図版多数収録!



2011年7月号『ふらんす』
小黒昌文氏

本書は、〔プルーストの小説美学の本質の〕核心へと通じる道筋を彩り豊かに照らし出してくれる。〔……〕専門家のみならず、ひろく一般の読者にとってに刺激的であるに違いない。

2011年7月30日付『図書新聞』
中野知律氏

プルーストのヴィジョンと同質の、真に感応しうる精神にのみ許された接近と深い理解を感じさせる、実証的プルースト論の最良の範。〔……〕こんなに美しい学術書に出会えた悦びを伝えずにはいられない。

2011年9月号『cahier 8』(日本フランス語フランス文学会)
湯沢英彦氏

〔本書は〕プルーストの文章の細部に織り込まれたラスキンの声を聞き分けることに向けられている。そこから立ち上がるのは、これまでになく深く豊かに響くプルーストとラスキンの二重奏である。

2011年10月1日発行『ラスキン文庫たより 第62号』
野崎歓氏

学問的な厳密さが、文学の喜びをいささかも傷つけず、論述の端々にまで、感覚の愉悦がみなぎっているところに、本書の最大の魅力がある。〔……〕本書は文学の神秘がいかに豊穣なものかを体験させてくれる。

◎ラスキン文庫たよりさんと野崎歓氏のご好意で、全文掲載させていただきました。ご協力、どうもありがとうございます。

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