好評既刊『西洋美術史を解体する』

2011年 6月 23日

e8a5bfe6b48be7be8ee8a193e58fb2efbc9de382abe38390e383bc白川昌生

西洋美術史を解体する

四六判上製154ページ/定価1800円+税
ISBN 978-4-89176-828-7   C0070 好評発売中



既刊『美術館・動物園・精神科施設』などで、美術史/美術研究に
一石を投じる著者による、西洋美術史を知るユニークな入門書。


〈西洋〉そして〈美術〉という伝統的な閉じられた枠組みを
解体し、相対化し、もうひとつの別の美術史を構想する。

 

6月の新刊:『シュルレアリスム美術を語るために』

2011年 6月 15日

e382b7e383a5e383abe383ace382a2e383aae382b9e383a0efbc9de382abe38390e383bc1鈴木雅雄×林道郎

シュルレアリスム美術を語るために

四六判上製250ページ/定価2800円+税
ISBN 978-4-89176-834-8   C0070 好評発売中


《絵画》と《書物》のあいだに瞬く、イメージの星座たち
——往復書簡、講演、対話によって織りなされる、挑戦的探求の現在


観るものにとってかけがえのないものでありながら、
本や写真にも転用しうるシュルレアリスム美術。
シュルレアリスム研究と美術史という、
2つの分野の2人の研究者の刺激的な対話が、
その謎を新たに語ることを可能にする。

 

6月の新刊『イタリア・ファシズムの芸術政治』

2011年 6月 15日

italiafascism_cover鯖江秀樹

イタリア・ファシズムの芸術政治

A5判上製276ページ/定価4000円+税
ISBN 978-4-89176-836-2   C0070 好評発売中



《ファシズモの芸術》とは何か?

政治権力による桎梏のもと、グラムシ、ゴベッティらの
卓抜な批評によって浮上するモダン・アートの可能性/不可能性を、
絵画・建築の豊富な実例を通して検証する。

【目次】

はじめに:「芸術政治」の展望と方法:アントニオ・グラムシに倣って
第1章:批評家と画家の行方:ピエロ・ゴベッティの絵画論
第2章:ファシズム芸術をめぐる葛藤:ジュゼッペ・ボッタイの文化政策論
第3章:美術史学の政治化:リオネッロ・ヴェントゥーリの美術論
第4章:批評と生への眼差し:エドアルド・ペルシコの建築批評論
第5章:ファシズム文化のための攻防:ジュゼッペ・ボッタイの芸術戦略論
おわりに:様式の不在から多面性へ


参考文献
図版一覧
あとがき

 

6月の新刊予定

2011年 6月 6日

今月の新刊は話題作が目白押しなので、ひと足はやくお伝えさせていただきます。
口火を切るのは、美術史を画期した運動をめぐるこの2冊。

鈴木雅雄×林道郎シュルレアリスム美術を語るために』……6月13日頃配本

鯖江秀樹『イタリア・ファシズムの芸術政治』……6月13日頃配本

ここから先は、6月下旬から7月上旬にかけて、順次刊行して参ります。
まず、読みやすいムック形式で創刊! 第1回は、比類なき哲学者を総特集。

『別冊水声通信 特集:坂部恵』……6月下旬予定

つづいて、『水声通信』に好評連載の奇想小説が1冊に。

中村邦生『転落譚』……6月下旬予定

さらに、みなさまお待ちかね、ペレック! ルーボー! ウリポからの刺客。

ジョルジュ・ペレック『家出の道筋』(酒詰治男訳)

『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』(仮題、田中淳一訳)

そして、人間と環境を再考する《エコクリティシズム・コレクション》スタート。


波戸岡景太『ピンチョンの動物園』

喜納育江『〈故郷〉のトポロジー:場所と居場所の環境文学論』

なんとまだあります! 長らくお待たせしましたが、ついについに続刊!


『サド全集 第6巻:恋の罪、壮烈悲惨物語』(私市保彦、橋本到訳)

このあともまだまだ続くのですが、ひとまずここまで……。
刊行が近づいてきたら、あらためて詳細をアップいたします。
いずれも編集作業は佳境に入ってきました。
ぜひぜひひとりでも多くのみなさんの手にとっていただきたく、
刊行まであとすこし、心待ちにしていてください。

 

5月の新刊:全巻完結!『そんなに沢山のトランクを 小島信夫批評集成 第7巻』

2011年 5月 19日

言葉が余りの風に触られ,部分が全体になり,全体が部分になる。
両者のはざまで生まれた鵺のような言葉を「書き放し」たとき,
真の意味での「現」と「前」とのたすき掛けが起こって,小説が批評になり,
批評が小説になる。小島信夫が小島信夫になるのは,そこからなのである。
——堀江敏幸




小説や舞台をその現場であじわう『そんなに沢山のトランクを』。
天才俳人を甦らせる『原石鼎』。そして現代美術の深淵を探る『X氏との対話』。
晩年なお躍動する,批評精神の軌跡。【全8巻,ついに完結!】

kojimanobuo_7_cover『そんなに沢山のトランクを 小島信夫批評集成 第7巻』

A5判上製744頁,別丁16頁/定価9000円+税
ISBN978-4-89176-817-1  C0395 5月25日頃発売!

解説=堀江敏幸
月報=海上雅臣、山崎勉、近藤耕人、平井杏子、太田鈴子


* 本集成は、今回配本分をもって完結となります。
長い間のご愛読, 誠にありがとうございました。
なお、全巻ご購読特典は、現在鋭意編集中です。
出来次第のお届けとなります。もう少々お待ちください。

 

5月の新刊:『金井美恵子の想像的世界』

2011年 5月 18日

kanai_mieko芳川泰久

金井美恵子の想像的世界

四六判上製280ページ/定価2800円+税
ISBN978-4-89176-835-5 C0095 5月25日頃発売


惑溺する、<水>のエクリチュール

言葉に対する鋭敏な感覚により、常にこれまでの文学史や社会制度を
戦略的に転覆してきた作家、金井美恵子。小説内に頻出する
「水」、「皮膚」、「不在」といったモチーフから、
作家の世界観を鮮やかに浮かび上がらせる、本邦初の金井美恵子論!



目次

はじめに

序論〈不在=現前〉論


一 水・蜜・桃 テクストの聖痕
二 水の誘惑 柔らかな強度
三 水=文字、猫の舌の描く


四 それは“あ”からはじまる
五 書くことの苛立ち——『岸辺のない海』を読む
六 羅列と反復 統辞論的な失調について


七 悪意に充ちた接近の危うさ
八 一義性を揺らす分裂的な強度
九 穏やかで不穏な隣接の試み


十 〈〈声を包む〉声を包む〉声を……——『恋愛太平記』を読む
十一 あふれでる繋辞領域——『柔らかい土をふんで、』を読む
十二 記憶的・映像的・編集的——『噂の娘』を読む

あとがき

 

4月の新刊:『零度のシュルレアリスム』

2011年 4月 27日

e99bb6e5baa6齊藤哲也

零度のシュルレアリスム

四六判上製272ページ/定価2500円+税
ISBN 978-4-89176-830-0 C0070 4月30日頃発売


「シュルレアリスムって、よくわかりません……」
——はい、わからなくていいのです!


だれもが疑問に思っていた7つの「?」を、「なぜ、なにが問題なのか」に
さかのぼり、気鋭の研究者とともに考える必携の入門書。
従来のシュルレアリスム観をアップデートする、要注目の書き下ろし!
【図版多数収録】



現在、東京六本木の国立新美術館では、
《シュルレアリスム展——パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による》
を好評開催中です(詳細はこちら→)。エルンスト、キリコ、ダリ、
デュシャンといった著名なアーティストはもちろん、
この《シュルレアリスムの25時》シリーズが日本ではじめて紹介した、

『ヴィクトル・ブローネル』(齊藤哲也著、図版多数!)
『クロード・カーアン』(永井敦子著、貴重なテクスト多数!)
『ジョゼフ・シマ』(谷口亜沙子著、図版多数!)


をはじめ本邦初公開となる画家・写真家の作品にも照明があてられています。
会期は1週間延長となって5月15日(日)まで。これまで写真版でしか観たことの
なかった作品の実物を目にすることができるこのチャンス、ぜひともお見逃しなく!

 

4月の新刊:『海辺のネコ』

2011年 4月 25日

umibe_no_neko_cover海辺のネコ

アグニェシュカ・ウサキェヴィチ 作
アレクサンデル・オチコ 絵
渡辺克義 訳

B5判上製カラー64頁/定価1800円+税
ISBN 978-4-89176-833-1 C8797 4月30日頃発売!

ハートウォーミングな海外絵本をどうぞ。

あたたかな春の日。大きな浜辺で、真っ黒な子ネコが砂だらけになっていました。
そもそも、そのかわいいネコはどこからやってきたのでしょうか?
――ポーランドから届けられた、心温まる8つの小さな小さな物語


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子ネコには勇気がありました。砂をかきわけ進みました。
しっぽがうまったり、不器用な手足をやっとの思いで
引っぱり出しては、前へと進みました。
すると、黒かった体が真っ黄色になっているではありませんか。
左耳のかわいい白いブチも、目立たなくなっていました。
こうして子ネコは海辺までやってきたのです。 (本文より)

 

4月の新刊:『闘う衣服』

2011年 4月 25日

e99798e38186e8a1a3e69c8d-e382abe383b4e382a1e383bce585a5e7a8bf小野原教子

闘う衣服

四六版上製384ページ/定価4500円+税
ISBN 978-4-89176-833-1   C8797 4月30日頃発売!
【叢書 記号学的実践 27 】


ヴィヴィアン・ウエストウッド!
女子プロレス!
ゴスロリ・ファッション!


《私とは誰か》という根元的な問いと戯れる、今日のファッションの多様な様相を、
さまざまな雑誌やコスチュームのなかに探る、記号学的モード研究の新しい成果。

 

4月の新刊:『変幻自在の人間 小島信夫批評集成 第2巻』

2011年 4月 25日

時代ごとに正しいとされた観念から自在に出て行ける知性とは,
人間世界の内と外を同時に見ながら,相手や自分のどうしようもなさを
優しく受け止める力を持つのだろう。
小島にとって文学とは,そうした知性への試みに思えてならない。
——都甲幸治




性,軍隊生活,演劇,美術,そして文学について思いをめぐらせた
『小説家の日々』,『変幻自在の人間』,『文学断章』の3冊を収録。
高揚してゆく時代を背景に、作家の本音と肉声が交錯する珠玉の随筆群。

kojimanobuo_2_cover『変幻自在の人間 小島信夫批評集成 第2巻』

A5判上製807頁/定価10000円+税
ISBN978-4-89176-812-6  C0395 4月25日頃発売!

解説=都甲幸治
月報=大津栄一郎、近藤耕人、平井杏子、中西裕

*全巻予約受付中!

 

書評『ジーン・セバーグ』2

2011年 4月 20日

ヌーヴェルヴァーグを代表するヒロインの本邦初の評伝『ジーン・セバーグ』は、
おかげさまでその後も各誌紙で好評をいただいております。
評者、媒体、書店のみなさま、本当にありがとうございます……。

「本書は親族、友人、仕事を共にした俳優など多くの証言者によって、
才気あふれる幼少期から、不審な『自殺』を遂げるまでの彼女の姿が、
多面的に描かれている。〔……〕知性の女優を貶めたとき、
アメリカは自らの『自由な精神』の限界をはっきりと示した。
本書は、一人の女性の信念が残酷な形でそれについえた、その物語である」

———寺尾紗穂さん(シンガーソングライター、『週刊文春』4月21日号)

「それにしても、この伝記を読むと、彼女の人生が
なんとも波乱に満ちたものだったことにあらためて驚かされる。
〔……〕20世紀後半の風俗史としても興味深い本書を読んでいると、
あのブロンドのショートヘアにスクリーンで再会したい
という気持ちがふつふつと湧いてくる」

———谷昌親さん(早稲田大学教授、共同通信配信『千葉日報』『神奈川新聞』ほか)

「アメリカ本国よりフランスで高く評価された、
ショートヘアがよく似合った女優の伝記の部分と、
出演映画についての作品論がほどよく溶け合っていて
読みごたえがある。ゴシップも下品な書き方ではなく
非常にフェアな評伝になっている」

———川本三郎さん(エッセイスト、『キネマ旬報』4月下旬号)


jean02本書の刊行後、「ジーンのフィルモグラフィが知りたい」、
「ジーンのドキュメンタリー映画の詳細は?」といった
お問い合わせをいただいております。
これらについては、本書の著者・ギャリー・マッギー氏ら
によって撮影が進んでいるというドキュメンタリー映画
Movie Star: The Secret Lives of Jean Seberg” のウェブが
非常に充実しています。フィルモグラフィはじめ、
詳細な情報が掲載されていますので、本書の参考に、ぜひご覧ください。
(英文です)http://www.jeansebergmovie.com/



seberg_coverギャリー・マッギー 石崎一樹訳

ジーン・セバーグ

四六版並製/2段組452ページ/定価3500円+税
ISBN 978-4-89176-820-1 好評発売中

 

書評『ジーン・セバーグ』

2011年 4月 7日

1『悲しみよこんにちは』『勝手にしやがれ』『リリス』などで
世界中の観客を魅了した女優、ジーン・セバーグ。
40歳で「自殺」した彼女のモノクロームな生涯を、関係者への
膨大な取材と資料によって描いた決定版評伝が、
G・マッギー著/石崎一樹訳『ジーン・セバーグ』です。
ブラックパンサーにコミットし、FBIにマークされた彼女の
内面にも肉薄する優れたドキュメントですが、さっそく各紙で
話題になりました。評者・媒体のみなさま、ご発注くださった書店のみなさま、
ありがとうございます。

「1人の女優の生き様に米国の社会・政治の暗部がのぞく」
――――日本経済新聞(3月7日付読書面)

「ジーン・セバーグをコケティッシュな美少女として
記憶しておくのが良かったのか、それとも時代に翻弄された
悲劇的女優だったことを知って良かったのか。
どちらと決めかねたままに最終ページを閉じた」

――――朝日新聞(4月4日付読書面/評者=後藤正治さん。全文はこちら→

ほか、信濃毎日新聞、神奈川新聞(いずれも3月7日付読書面)でも
紹介していただきました。ありがとうございます。
日本でもセバーグは1950年代末から多くのファンを獲得してきましたが
(本書89ページ下段の図版は日本版オリジナル!)、
それから半世紀を経たいま、あらためて彼女の孤独な生涯が
問い直されようとしてます。ぜひ、この機会にご一読ください。


seberg_coverギャリー・マッギー 石崎一樹訳

ジーン・セバーグ

四六版並製/2段組452ページ/定価3500円+税
ISBN 978-4-89176-820-1 好評発売中

 

4月の新刊:『ベンヤミン』

2011年 3月 28日

benjamin_cover森田團

ベンヤミン——媒質の哲学

A5判上製/536頁/定価7000円+税
ISBN978-4-89176-824-9  C0010 4月1日頃発売


初期の言語論からイメージ論、そして歴史哲学にいたるまで、
ベンヤミンの思想の根柢には、媒質概念があった。
同時代の思想家たちとの対比を通じて、その足跡を辿り、
伝統の刷新を企てたベンヤミン哲学の核心に迫るとともに、
20世紀ドイツの思想的布置をあらたに規定する野心的な試み。

—-
【既刊好評発売中】

benjamin三原弟平

『ベンヤミンと精神分析——ボードレールからラカンへ』

四六判上製254頁/定価=2500円+税
ISBN978-4-89176-727-3  C0010

 

4月の新刊:『バタイユと文学空間』

2011年 3月 28日

bataille-bungaku_cover福島勲

バタイユと文学空間

46判上製/208頁/定価3000円+税
ISBN978-4-89176-829-4  C0098  4月1日頃発売

バタイユが夢みた、新たなる文学/社会

動乱の時代を生きた思想家バタイユは、文学にどのような可能性をみていたのか。
他者との不可能な交流の場としての文学という視点で、バタイユの文学観を明るみだし、
新たなコミュニケーションの形態を提示する試み。

—-
【既刊好評発売中】

bataiyu_cover岩野卓司

ジョルジュ・バタイユ——神秘経験をめぐる思想の限界と新たな可能性

A5判上製/336頁/定価4500円+税
ISBN978-4-89176-778-5  C0098

 

3月の新刊:『現代文学の進退 小島信夫批評集成 第1巻』

2011年 3月 28日

小島信夫自身の存在が十分にヘンなのであり,読者にもまた一緒に
ヘンになることを誘惑してやまない。誰もが何気なく通過してしまう
些細な事象に,ヘンなものを感じて引っ掛かり,気がかりな凝滞に
進行が阻まれる。……〈書く=読む〉の愉楽が兆すのだ。
——中村邦生




60年代以降の激動の時代を生きながら,小説論や文芸時評によって,
文学の真実に迫る。カフカやゴーゴリなどの世界文学,
さらには自作をめぐって展開される《批評》。後年の優れた長篇評論の出現を
予感させる『小島信夫文学論集』『現代文学の進退』の2巻を収録。

kojimanobuo_1_cover『現代文学の進退 小島信夫批評集成 第1巻』

A5判上製648頁/定価8000円+税
ISBN978-4-89176-811-9  C0395 好評発売中!

解説=中村邦生
月報=芳川泰久、近藤耕人、平井杏子、太田鈴子


*全巻予約受付中!

 

3月の新刊:『北アイルランドとミューラル』

2011年 3月 15日

n_ireland_img佐藤 亨 写真・文

北アイルランドとミューラル

A5判上製136頁/定価2500円+税
(壁絵写真92点収載=カラー14点+白黒78点)
ISBN 078-4-89176-827-0 C0072 3月22日頃発売!


街頭のミューラル(壁絵)が映し出す, 北アイルランドの「現在」。
【世界初のオリジナル写文集】

ここに在るのは, 歴史に対する証拠写真だ。
“東北人”佐藤亨の眼はアイルランドの痛みとおののきに触れている。
このストリート・ヒストリーは見る者を圧倒する。
——吉田文憲


n_ireland_photo●ミューラルとは何か。それは刺青のようなものかもしれない。わたしが最初に見たとき, それは北アイルランドという身体に彫られた, 意味のわからない, しかも, 全身に彫られた痛々しくも激しい記号だった。ミューラルが氾濫する街は,意味が乱反射する空間であり, わたしはその磁場に圧倒されてしまった。
——「著者あとがき」より


●著者紹介————佐藤 亨(さとうとおる)
1958年, 一関市生まれ。現在, 青山学院大学教授。専攻, アイルランド地域・文化研究。著書に, 『異邦のふるさと「アイルランド」——国境を越えて』(新評論, 2005年), 『ギリシア劇と能の再生』(共編著,水声社, 2009年)など。

 

東北関東大震災について

2011年 3月 14日

平素より小社出版物をご愛読くださり、誠にありがとうございます。

3月11日に発生した、いわゆる東北関東大震災で被害を受けた皆様に、
心よりお見舞い申し上げます。また、各書店様など、関係各位の
回復・復旧を、小社一同、心よりお祈り申しあげます。
この地震によって商品のお届けに遅れが生じる場合がございますが、
なにとぞご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

計画停電等による交通不全のため、小社の業務にも影響が予想されますが、
万全を尽くして参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

3月の新刊:《シュルレアリスムの25時》第6回配本

2011年 3月 4日

crevel_cover鈴木大悟著

ルネ・クルヴェル ちりぢりの生

四六判上製296頁/定価3000円+税
ISBN 978-4-89176-767-9  C0398 2011年3月10日頃発売


知られざる天才作家の肖像
——困難な生の告白=偽装。


小説『バビロン』の第1章「ナイフ氏、フォーク嬢」収録!

クルヴェルは震える存在だった
………………フィリップ・スーポー


典型的なプチ・ブル、同性愛者、結核患者、コミュニスト……
矛盾に満ちた生を駆け抜けた異端のシュルレアリストにして
絶対的自由を渇望する生粋のロマンティスト。
かつての仲間とも決別したその激烈な生涯と作品を、
さまざまな角度から「弁証法」的に照射する。



すでにご覧になった方も多いと思いますが、いま、東京六本木の国立新美術館では、
《シュルレアリスム展——パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による》
好評開催中です(詳細はこちら→)。
エルンスト、キリコ、ダリ、デュシャンといった著名なアーティストはもちろん、
この《シュルレアリスムの25時》シリーズが日本ではじめて紹介した

『ヴィクトル・ブローネル』(齊藤哲也著、図版多数!

『クロード・カーアン』(永井敦子著、貴重なテクスト多数!

『ジョゼフ・シマ』(谷口亜沙子著、図版多数!

をはじめ本邦初公開となる画家・写真家の作品にも照明があてられています。
会期は5月9日(月)まで。これまで写真版でしか観たことのなかった作品の
実物を目にすることができるこのチャンス、ぜひともお見逃しなく!

《さらに》
なお、小社ではこの春、シュルレアリスムの基礎から応用までが
手にとるようにわかる入門書『零度のシュルレアリスム』(齊藤哲也著、3月末
刊行予定)、そして2人の先鋭なる研究者がシュルレアリスム美術を論じ尽くす
『シュルレアリスム美術をどう語るか?(仮)』(林道郎×鈴木雅雄共著)を
順次刊行する予定です。お手許に届くまで、もうすこしお待ちください!

 

3月の新刊:『ジーン・セバーグ』

2011年 2月 25日

なぜ、女優は「自殺」しなければならなかったのか?

けっして代表作に恵まれてはいないにもかかわらず、
いまなお不思議な魅力を放ちつづける女優、ジーン・セバーグ(1938-79)。
その日本では初めてとなる本格的な評伝がついに刊行になります。

seberg_coverギャリー・マッギー 石崎一樹訳

ジーン・セバーグ

四六版並製/2段組452ページ/定価3500円+税
ISBN 978-4-89176-820-1 3月3日頃発売/予約受付中



JFK、ド・ゴール、アンドレ・マルローといった米仏の大物政治家から、
トリュフォー、イーストウッド、ロジェ・グルニエ、ピート・ハミルをはじめとする
同時代人たちを魅了。『悲しみよこんにちは』(’58)の「セシルカット」では
鮮烈なファッションリーダーとして脚光を浴び、ゴダール監督のデビュー作
『勝手にしやがれ』(’59)では「ヌーヴェルヴァーグのイコン」として、
その評価を決定的なものとしました。

seberg_blog02しかし、そんな彼女の栄光を暗転させたのは、
FBI(アメリカ連邦捜査局)の謀略でした。
自分の信念から黒人解放運動にかかわったことを
スキャンダルとして報じられ、さらに愛娘を失った彼女は、
以後、暗黒の日々を送ることになります。
そして40歳の若さで「自殺」――。
1940年に生まれ、「アメリカ」と闘いつつ80年に亡くなった
ジョン・レノンとまったくの同時代人だといえるでしょう。

本書は、そんなジーン・セバーグの短い生涯を、膨大な資料と関係者への
綿密な取材であきらかにした決定版評伝です。60点あまりの
プライヴェート写真も収録。映画ファンはもちろん、さまざまな現場で
さまざまに格闘中の、すべてのかたに読んでいただきたい1冊です。ぜひ!

 

2月の新刊:『スピノザと政治』

2011年 2月 18日

spinoza1エティエンヌ・バリバール/水嶋一憲 訳

スピノザと政治

A5判上製/288頁/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-802-7 C0010 2月25日頃発売


スピノザ vs バリバール!
バリバールの主著、待望の邦訳刊行!



いまなお謎めいた存在である17世紀オランダの哲学者にして、
ついには《同時代人たちが争っていた雑種の問い——信仰と理性、
絶対主義と社会契約、等々——を徹底的に転位させる》に至った、
その政治=哲学を、マルクスとの《相補的交換性》をも視野に入れながら、
ネグリ以降の新たな視点で読み解く。