3月の刊行予定

2010年 2月 25日

3月の新刊予定です。詳細は追ってお知らせします。
(配本が4月にずれ込むタイトルもあります)



黒木夏美『バナナの皮はなぜすべるのか?』
A5判並製256頁/予価2,000円+税/978-4-89176-777-8



寺村摩耶子『絵本の子どもたち  14人の絵本作家の世界』
A5判上製320頁+カラー口絵8頁/予価3500円+税/978-4-89176-779-2



ステファヌ・ナドー/信友建志訳『アンチ・オイディプスの使用マニュアル』
四六判上製352頁、予価3800円+税/978-4-89176-760-0



岩野卓司『ジョルジュ・バタイユ——神秘経験をめぐる思想の限界と新たな可能性』
A5判上製332頁、予価4,500円+税/978-4-89176-778-5



アンリ・トロワイヤ/市川裕見子訳『トゥルゲーネフ伝』
A5判上製264頁+口絵16頁、予価3,500円+税/978-4-89176-780-8



E・E・カミングズ/ヤリタミサコ・向山守訳『カミングズの詩を遊ぶ』
A5判並製124頁、予価2,000円+税/978-4-89176-781-5

 

『煙滅』書評

2010年 2月 24日

ますます絶好調で、弊社の在庫も残り少ない『煙滅』ですが、
相次いで各誌紙の書評等でお取り上げいただきました。

→陣野俊史氏
(『サンデー毎日』2010年2月21日号/2010年2月10日付日本経済新聞夕刊)
「いまの日本の小説に欠けているゲーム性に溢れた小説」

→新島進氏
(2010年2月21日付日本経済新聞「読書欄」)
「『なにかの欠如』を、もとの距離感を保ちつつ日本語に反映させており、
作者/訳者の奮闘に驚愕すること請け合いである」


各媒体のみなさま、ありがとうございます!

また、ブックファースト新宿店地下1Fにて、
「めくるめく言語遊戯 〜言語の冒険実験小説〜」フェアが行なわれています。
詳しくはこちら→

image005カルヴィーノにピンチョン、
クロード・シモンやソレルスなどなど……。
弊社のペレック作品(『煙滅』『人生使用法』など)も
大々的に置いていただいています。
あれこれ欲しくなってしまうような、
見た目もポップな楽しいフェアです。
2月28日までですので、海外文学好きの方々は、
いざ新宿へ! (編集部 Ka)


e78599e6bb85e382abe38390e383bc-e585a5e7a8bf3ョルュ・ぺレック/秀一郎訳

煙  滅

六判上製376頁/価3200円+
ISBN978-4-89176-750-1   C0097    売中
=宗淳一+田中奈緒子

 

2月の新刊『奴隷制を生きた男たち』

2010年 2月 22日

dorei_coverジェームズ・ウォルヴィン 池田年穂訳

奴隷制を生きた男たち

四六判上製/336頁/定価3500円+税
ISBN978-4-89176-776-1 C0098  2月25日頃発売!


奴隷制とは《誰のもの》だったのか?



「アメージング・グレース」を作詞した奴隷商。
ジャマイカで農園主として君臨し続けた奴隷所有者。
そして、自伝を著し奴隷制廃止に尽くした元奴隷——。

奴隷制をめぐる3人の人生を、書簡、日記、自伝などを渉猟しつつ、
巨大な歴史のうねりのなかに生きいきと描き出す、
18世紀以降の近現代史を考えるうえで必読のドキュメンタリー。

 

2月の新刊『発見する力』

2010年 2月 19日

hakken黒岩恭介

発見する力 現代美術の時空間

A5判上製/288頁/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-757-0 C0071  2月23日頃発売!






現代美術の《これまで》と《これから》


加納光於、河原温、斎藤義重ら、
戦後美術史に異彩を放つアーティストたち。
彼らの新たな一面をその現場から照射し、
視角芸術の水脈と諸相を問い直す、鮮烈な美術批評。

 

編集部通信(満員御礼のご報告)

2010年 2月 17日

2_13_junk去る2月13日土曜日、
雨の降りしきるなか、池袋ジュンク堂でおこなわれた、
野崎歓さん(東京大)と鈴木雅雄さん(早稲田大)による
トークセッション、「誰も知らないシュルレアリスム」
おかげさまでぎっしりのお客さまに囲まれて、
とても白熱した、充実のセッションとなりました。

「シュルレアリスムとは愛であり希望なのだ」という、
おふたりの意外な結論に会場もヒートアップ。
既成のシュルレアリスムを読みかえる、
新しい時代の到来を予感させるものとなりました。

今回のセッションにご協力いただいた、
ジュンク堂池袋店のみなさま、
また、宣伝にご協力いただいた白水社宣伝部さま(「耳より情報」欄)、
図書新聞編集長Sさまをはじめ、ブログやツィッターなどでも
ご紹介・着目してくださったみなさまに、厚く御礼を申しあげる次第です。

弊社30周年記念出版《シュルレアリスムの25時》は、
今後もますますユニークなシュルレアリストたちが登場します。
どうぞご期待ください!(編集部:naovalis)

 

いよいよ迫る!《シュルレアリスムの25時》トークイベント

2010年 2月 9日

第2回配本『クロード・カーアン』も好評な、
弊社創立30周年企画《シュルレアリスムの25時》。
その刊行記念トークイベントが、いよいよ今週末、
2月13日(土)に迫って参りました。

数々の翻訳で知られるフランス文学者の野崎歓さん(東京大学)、
そして本企画の肝いり役である鈴木雅雄さん(早稲田大学)が、
シュルレアリスムの魅力について語り尽くします。

シュルレアリスムにくわしくない方も苦手な方も、
これでシュルレアリスムが楽しめるようになることうけあいです。
ぜひ都内近郊にお住まいの方は足をお運びください!
編集部一同、みなさまとお目にかかれるのを楽しみにしております。

—-
ジュンク堂池袋店 トークセッション

《誰も知らないシュルレアリスム》

◆講師
野崎 歓さん(フランス文学者)×鈴木雅雄さん(『ゲラシム・ルカ』著者)

20世紀の思想や芸術に大きな痕跡を残し、いまもなお
現代文化を挑発し続けている、シュルレアリスムとその運動。
ブルトンやダリ、マグリットの作品は、日本でもよく知られています。
しかし、彼らの表現だけがシュルレアリスムではありません!
これまで注目されることのなかったユニークな画家や詩人、
写真家たちを紹介しながら、「いま」「わたしたちにとって」の
シュルレアリスムとは何かをめぐって、第一線で活躍する
おふたりの論者に縦横無尽に語っていただきます。

◆日時・会場
2010年2月13日(土) 18:30開場/19:00開演
ジュンク堂池袋店4Fカフェ 定員40名
入場料 1000円(1ドリンク付)
くわしくはこちらをクリック→(

◆講師プロフィール
野崎 歓
1959年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授、フランス文学者。
主な著書に『赤ちゃん教育』(青土社、講談社エッセイ賞)、
『われわれはみな外国人である』(五柳書院)など、
訳書にトゥーサン『浴室』、ソレルス『秘密』などがある。

鈴木雅雄
1962年生まれ。早稲田大学文学学術院教授、シュルレアリスム研究者。
主な著書に『シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性』(平凡社)など、
訳書にダリ『ミレー《晩鐘》の悲劇的神話』などがある。




cover永井敦子 著

クロード・カーアン 鏡のなかのあなた

四六判上製/280頁/定価2500円+税
ISBN 978-4-89176-763-1 C0372  好評発売中!
装幀=宗利淳一+田中奈緒子








鈴木雅雄

ゲラシム・ルカ ノン=オイディプスの戦略

四六判上製256頁/定価2500円+税
978-4-89176-761-7  C0398
装幀=宗利淳一+田中奈緒子



齊藤哲也

ヴィクトル・ブローネル 燐光するイメージ

四六判上製総384頁(別丁図版128頁)/定価3500円+税
978-4-89176-762-4  C0371
装幀=宗利淳一+田中奈緒子

 

《ヘンリー・ミラー・コレクション》全10巻、まもなく完結!

2010年 2月 8日

millerお待たせしました!
ついに、文豪ヘンリー・ミラーの自伝的大作、
「薔薇色の十字架刑」3部作のうち、
第1部『セクサス』と第2部『プレクサス』が
新訳/完訳(無削除)で今月中旬、同時に登場します。

とくに『セクサス』は、猥褻かつ露骨なセックス描写が問題となり、
40年以上前の新潮社版全集では割愛されたり、
表現をぼかしたりされていましたが、今回はじめて完訳がなり、
等身大のヘンリー・ミラーを日本語で味わうことが可能になりました。

2冊合わせて約1250頁(8ポ2段組)で1万円 !? しかし、高いと思うなかれ。
普通の小説の5、6冊分はたっぷり楽しめます。
第3部の『ネクサス』も鋭意準備中で、早ければ今春には刊行。

これによって、年代的には『南回帰線』→「薔薇色の十字架刑」3部作→
『北回帰線』と続く、ミラーの壮大な自伝的小説の全容が明らかになります。(編集部 So)


第6巻  2月16日頃発売!
〈薔薇色の十字架刑 Ⅰ 〉

セクサス

井上健 訳
四六判上製608頁/定価5000円+税
ISBN 978-4-89176 771-6  CO397


ポルノグラフィーかアヴァンギャルドか


マンハッタンの電信会社に勤める主人公ヘンリーは、
マーラという名のセクシーなダンサーと恋に落ちる。
「芸術家の女神」との運命的な出会い、そして
大胆な性描写で繰り広げられる死と再生の磔刑のドラマ。
新訳で贈る自伝的長編三部作、完訳決定版ついに刊行!


第7巻 2月16日頃発売!
〈薔薇色の十字架刑 Ⅱ 〉


プレクサス

武舎るみ 訳
四六判上製656頁/定価5000円+税
ISBN 978-4-89176 772-3  CO397


「運命の女」との錯綜する関係


晴れて正式に結婚したふたりの蜜月は、
度重なる激突と生活苦とによって、破局へ向かっていく。
「運命の女」との情熱と苦悩に満ちた結婚生活を振り返り、
無数のエピソードや人物を織り交ぜて、
猥雑、饒舌、エネルギッシュに語りまくる第2作。


第8巻(最終回配本)近刊予定
〈薔薇色の十字架刑 Ⅲ 〉


ネクサス

田澤晴海 訳

 

編集部通信:『煙滅』関連(Ka)

2010年 2月 8日

去る 1月16日にジュンク堂池袋本店で開催されたイベント(「ウリポってなに?」)は
おかげさまで大盛況で、キャンセル待ちが出るほどでした。
ご来場いただきました皆様、どうもありがとうございました。
このトークショーの模様は、次号『水声通信』に掲載予定ですので、
ご参加いただけなかった皆様も、参加して楽しんでいただいた皆様も
ぜひ『水声通信』の方もよろしくお願い致します。


さて、『煙滅』ですが、相次いで書評等でお取り上げいただきました。

→牧眞司氏(『SFマガジン』2010年3月号)
「前代未聞の実験小説、反ミステリ、逆説ロマンス、超絶SF。凄まじく面白い」

→風間賢二氏(『ミステリマガジン』2010年3月号)
「語りの形式と語られる内容が渾然一体となった傑作である」

書評ではありませんが、『ブレーン』2010年3月号でも、
「編集部が街で気になったデザイン」というページで、『煙滅』の装幀について、
さまざまな実験的試みの上に成立した稀有なデザイン」

とコメントをいただいております。
各媒体のみなさま、ありがとうございます!

enmetsuabcまた、青山ブックセンター本店で、
「ウリポの言語遊戯」フェアということで、
大々的に『煙滅』を取り上げていただいております。
詳しくはこちら→

ほかにもペレックの作品やウリポの影響を受けた
作家たちなどの本も並んでいて、
見ているだけでも楽しいフェアですので、
ぜひ一度足を運んでみてください。2月末までです!(編集部 Ka)



e78599e6bb85e382abe38390e383bc-e585a5e7a8bf3ョルュ・ぺレック/秀一郎訳

煙  滅

六判上製376頁/価3200円+
ISBN978-4-89176-750-1   C0097    売中
=宗淳一+田中奈緒子

 

紀伊國屋書店のフェアは今週末まで!

2010年 1月 22日

ismfileget年末年始をはさみつつ、
紀伊國屋書店新宿本店で開催中の、
《水声社 全点フェア+在庫僅少本フェア》(こちら→)。
おかげさまで好評をいただいているとのこと、
本当にありがとうございます。
あらためて読者のみなさまと関係各位にお礼申しあげます。

が、それもとうとう、

今週末の日曜日、24日までになりました!

僅少本やサイン本を中心に、棚にも空きが目立っていますが、
500点におよぶ弊社刊行物を手にとることができる、またとないこの機会。
文学や現代思想を中心に、美術、音楽、建築、そしてサブカルまで、
多彩な作品群が読者と出会えるのを待っています。
都内近郊にお住まいのみなさま、ぜひともこの週末は新宿へ!!

 

《シュルレアリスムの25時》情報

2010年 1月 21日

ジェンダーを越えた異色の写真家『クロード・カーアン』(永井敦子著)の
発売も間近に迫った、弊社創立30周年出版《シュルレアリスムの25時》。

braunercover初回配本で採りあげられたゲラシム・ルカとヴィクトル・ブローネルは、
ドゥルーズ=ガタリ『アンチ・オイディプス』の「補遺」の部分で
言及されていながら、日本ではほとんどよく知られていませんでした。

河出文庫版だと、ブローネルは「ブロネ」とフランス語読みですが、
本書『ヴィクトル・ブローネル』には、カラー8点を含む160点以上(!)の
図版が掲載されており、彼らが言及している作品もばっちり。
日本でのドゥルーズ=ガタリ読解にも、新しい視点を提供するはずです。

……という『ゲラシム・ルカ』と『ヴィクトル・ブローネル』の2冊は、
各方面で続々と話題になっていますので、まとめてご紹介させていただきます。
(各媒体のみなさま、ありがとうございます!)


【書評】
新年1回目、1月10日付けの読売新聞読書面(本よみうり堂)に
『ゲラシム・ルカ』の書評が掲載されました。評者は、美術批評家の
椹木野衣さん。

それにしてもなぜ、いまシュルレアリスムなのか。
誤解をおそれずに言えば、それは、シュルレアリスムを
「シュルレアリスム」から解放するためと言ってよい。


と、明快にして簡潔に本書・本シリーズの魅力を
スケッチしていただきました。椹木さん、ありがとうございます!
なお、web上で全文の閲覧が可能です(こちら→


【対談】
lucacover現在発売中の『図書新聞』(2010年1月23日号)では、
『ゲラシム・ルカ』の著者・鈴木雅雄さんと美学者の林道郎さんによる、
3ページぶち抜きの 長篇対談 が掲載されています。
本国フランスはもちろん世界でも異色の本シリーズの特色や裏話、
いま、なぜシュルレアリスムなのかをめぐって、白熱の議論になっています。
本シリーズのサイド・ストーリーとして、ぜひご一読ください!


【読プレ】
こちらも現在発売中、『美術手帖』(2010年1月号)でも、
『ゲラシム・ルカ』、『ヴィクトル・ブローネル』の2冊が紹介されました。
筆者は粟田大輔さん。こちらはなんと、各1冊ずつの読者プレゼントあり!
当該誌をご覧のうえ、ふるってご応募ください!


【トークイベント】
さらに来月、フランス文学者の野崎歓さんをゲストにお迎えして、
刊行記念トークイベントも開催されます。
シュルレアリスムにくわしくない方も苦手な方も、
これでシュルレアリスムが楽しめるようになることうけあいです。
ぜひ都内近郊にお住まいの方は足をお運びください!
編集部一同、みなさまとお目にかかれるのを楽しみにしております。
(編集部 naovalis)

—-
ジュンク堂池袋店 トークセッション

《誰も知らないシュルレアリスム》

◆講師
野崎 歓さん(フランス文学者)×鈴木雅雄さん(『ゲラシム・ルカ』著者)

20世紀の思想や芸術に大きな痕跡を残し、いまもなお
現代文化を挑発し続けている、シュルレアリスムとその運動。
ブルトンやダリ、マグリットの作品は、日本でもよく知られています。
しかし、彼らの表現だけがシュルレアリスムではありません!
これまで注目されることのなかったユニークな画家や詩人、
写真家たちを紹介しながら、「いま」「わたしたちにとって」の
シュルレアリスムとは何かをめぐって、第一線で活躍する
おふたりの論者に縦横無尽に語っていただきます。

◆日時・会場
2010年2月13日(土) 18:30開場/19:00開演
ジュンク堂池袋店4Fカフェ 定員40名
入場料 1000円(1ドリンク付)
くわしくはこちらをクリック→(

◆講師プロフィール
野崎 歓
1959年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授、フランス文学者。
主な著書に『赤ちゃん教育』(青土社、講談社エッセイ賞)、
『われわれはみな外国人である』(五柳書院)など、
訳書にトゥーサン『浴室』、ソレルス『秘密』などがある。

鈴木雅雄
1962年生まれ。早稲田大学文学学術院教授、シュルレアリスム研究者。
主な著書に『シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性』(平凡社)など、
訳書にダリ『ミレー《晩鐘》の悲劇的神話』などがある。




cover永井敦子 著

クロード・カーアン 鏡のなかのあなた

四六判上製/280頁/定価2500円+税
ISBN 978-4-89176-763-1 C0372  1月26日頃発売!
装幀=宗利淳一+田中奈緒子








鈴木雅雄

ゲラシム・ルカ ノン=オイディプスの戦略

四六判上製256頁/定価2500円+税
978-4-89176-761-7  C0398
装幀=宗利淳一+田中奈緒子



齊藤哲也

ヴィクトル・ブローネル 燐光するイメージ

四六判上製総384頁(別丁図版128頁)/定価3500円+税
978-4-89176-762-4  C0371
装幀=宗利淳一+田中奈緒子

 

1月の新刊『クロード・カーアン』

2010年 1月 15日

読書界瞠目の書き下ろし! シリーズ第2回配本



cover創立30周年記念出版《シュルレアリスムの25時》


クロード・カーアン 鏡のなかのあなた

永井敦子 著
四六判上製/280頁/定価2500円+税
ISBN 978-4-89176-763-1 C0372  1月26日頃発売!





女? 男!? 偽装するセルフポートレート。






1980年代後半に再発見され、一躍世界的評価を得た
写真家・作家・思想家クロード・カーアン。
仮面や鏡を使って仮装したセルフポートレートによって
ジェンダー・アイデンティティを問い、クィア的視点からもアプローチされている
特異なシュルレアリストの虚像≒実像に迫る、本邦初のモノグラフィー。
写真図版26点のほか、巻末付録として、『風景と幻影』『ヒロインたち』
『無効の告白』『賭けは始まっている』等からの文学的テキストを収録。

〈目次〉
序章 カーアン再発見
第一章 生涯
第二章 女ではなく男でもなく
第三章 複数形の単数
第四章 危機の時代を生きる
終章 新しい天、新しい地

 

編集部通信(So)

2010年 1月 15日

創業30年目を迎える小社では、昨年末から今年にかけて、
《シュルレアリスムの25時》のスタート、翻訳界の文学的事件ともいえる、
ジョルジュ・ペレック『煙滅』の刊行と、
出版不況のさなかにあって意欲的な活動を続けています。

oonami 昨日(1月14日付け)の東京新聞夕刊の名物コラム「大波小波」では、
「幸福な小数者のための文芸」をめざす出版社の「模範例の一つ」として
小社のことが取り上げられましたが、
地道な出版活動をしている我々にとっては実に有り難いエールです。
今年はとくに30周年ということもあって、
これからも読者の方々を唸らせるような出版物を
積極的に刊行していきますので、よろしくお願いいたします。
左の画像をクリックすれば拡大します


図書新聞(1月16日号)では、アナイス・ニン研究者の大野朝子氏による
『人工の冬』(パリ版)の書評が掲載されました。詳細かつ緻密な分析のあと、

『人工の冬』に描かれた〈他者との融合〉という
束の間の夢は、どこまでも美しく、妖しく、儚い。


と結んでいます。
また昨年暮れの産経新聞(12月27日付け)の読書欄「今年、私の3冊」で、
敏腕編集者の光森優子氏が『人工の冬』(パリ版)を選び、

中編を3本収録するが、映画にもなったヘンリー・ミラー夫妻と
ニンとの特異な関係を描く『ジューナ』が素晴らしい。
選び抜かれた言葉がつづる、官能的で秘めやかな世界に浸れる。


と推薦しています。(編集部:So)


e4babae5b7a5e381aee586acアナイス・ニン/矢口裕子訳

『人工の冬』

【パリ版オリジナル】
四六判上製328頁/定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-735-8  好評発売中!

 

今月のサンヤツなど

2010年 1月 8日

sannyatu去る1月5日(火)付、毎日新聞朝刊1面の
サンヤツに出稿いたしました。
(関西では7日(木)に掲載されています)






また、前回()に続き、
徳島県の北島町立図書館・創世ホールが発信している
『文化ジャーナル』2010年1月号
に、
長谷邦夫著『マンガ家夢十夜』 をめぐる、
著者インタビューの続編が掲載されました。
ウェブ上で読めます!→(
知る人ぞ知る『ハード・スタッフ』誌編集長にして、
図書館長の小西昌幸さんと、本書の魅力を語り合っています。
ぜひご一読を!


manga10dreams長谷邦夫

マンガ家夢十夜

四六判272頁/定価2500円+税
978-4-89176-744-0 C0093

 

2010年もよろしくお願いいたします。

2010年 1月 6日

小社は4日から営業開始でしたが、
もう早くも佳境が到来、ごあいさつが遅くなりました。
本年もこれまで以上によろしくお願いいたします。


早速ですが、
都内の紀伊國屋書店 新宿本店(5階人文書売り場)では
水声社全点フェア+在庫僅少本フェア を好評開催中です。
上のリンク先(↑)では、全点リストも公開していますので、
ぜひご覧になってみてください。

ismfilegetしかも、当初は今月17日までとご案内していましたが、
書店ご担当者さまのお力添えで、なんと1週間延長!
24日(日)までになりました。
ありがとうございます!

すでに各界で話題の新刊、
G・ぺレック『煙滅』をはじめ、
文字通りの在庫僅少本やサイン本など、
今回限りの本も少なくありません。
ぜひともこの機会に足をお運びください。

また、わたしも日々愛読している月曜社さまの
ウラゲツ☆ブログでは、2度にわたってこのフェアの援護射撃が。
メトロン星人 urag さまにあらためてお礼申し上げます。

都内中央線沿線のみなさまには、
東京都武蔵野市の啓文堂書店 吉祥寺店で、
《水声社 在庫僅少本フェア》が開催中です。
こちらも在庫僅少本を多数揃えてお待ちしております。
近くへお寄りの際には、ぜひのぞいてみてください!


今月以降も、《シュルレアリスムの25時》
これまで未完に終わっていたシリーズ物の続刊をはじめ、
文学や人文書、そして芸術書などを中心に、
「これぞ水声社ならでは!」と喜んでいただけるような本を
どんどん刊行して参ります。
《創立30周年記念出版》第2弾、第3弾も、
ユニークな企画が目白押し。どうぞご期待ください。


とかく暗い話ばっかりの出版業界ですが、
そういう時代だからこそ、
おもしろいものも生まれるのだと思います。
これからも前向きに全力でがんばって参りますので、
どうぞご支援をよろしくお願いいたします!
(編集部:naovalis)

 

今年もお世話になりました。

2009年 12月 25日

弊社の営業は、基本的に本日をもって仕事納めとなります。
(各自納まらない仕事を抱えていたりしますが……)
出版界もさまざまに揺れたこの1年、本当にありがとうございました。

2010年は弊社も創業30年目ということで、
この12月からスタートした《シュルレアリスムの25時》をはじめ、
新たな大型企画も続々と準備を進めております。
また、啓文堂書店吉祥寺店(~1/31)の在庫僅少本フェアや、
あす(12/26)から始まる紀伊國屋書店新宿本店での
全点フェア(~1/17)をはじめ、ますます積極的に
出版活動に力を尽くして参りたいと思います。
どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。

新年は4日から営業開始です。では、よいお年を!

以下の画像は、図書新聞(2010/1/1付)に掲載された
全5段広告。2009年に刊行した全タイトルが一覧できます。
クリックで拡大しますので、ぜひご購入の参考にしてください!


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冬の怪談

2009年 12月 23日

yoo12いったい誰が、《怪談》は夏のものと決めたのでしょうか。
単に涼をとるだけのものであれば、
《怪談》という話芸やエクリチュールは
この世に存在しなくてもいいのです。
いやむしろ季節なんぞにとらわれず、
いまこの混迷の社会情勢のなかでこそ、
読まれるべきなのだ、《怪談》は。
《怪談》とは、近代社会に虐げられて来た人間の
ルサンチマンを次代へと語り継ぐ、古くて新しい媒体なのだ!

——という著者のメッセージがひしひしと伝わる
谷口基 著『怪談異譚』。現在発売中の「日本初の怪談専門誌」、
『幽』第12号(メディアファクトリー)では、
その谷口さんが東雅夫さん、一柳廣孝さん、近藤瑞木さんとの
座談会に登場。「怪談アカデミズム」をめぐって語り合っています。
ぜひとも『怪談異譚』ともどもご一読を!(編集部 naovalis)


kaidan_cover-2谷口 基

怪談異譚——怨念の近代

四六判上製260頁/定価2800円+税
ISBN978-4-89176-740-2 C0095 好評発売中!

 

編集部通信(『煙滅』)

2009年 12月 22日

ジョルジュ・ペレック『煙滅』の見本ができあがってきました!

image005この本は、La Dispariton という、
Eをまったく使わずに書かれた小説の翻訳なのですが、
カバーは宗利淳一さん・田中奈緒子のデザインで、
」と「」の形に
穴が空いているという非常に凝った作りになっています。
(ちなみに、帯文は菊地成孔さん。孔が成る!?)

当初の予定より少し遅れましたが、年1月5日頃から
全国の書店に並びますので、ぜひ手にとってご覧ください!(編集部K)

 

水声社フェア@紀伊國屋書店 新宿本店

2009年 12月 19日

0zenten_poster来たる12月26日(土)から、来年1月17日(日)まで、
紀伊國屋書店 新宿本店(→)で

水声社 全点フェア

水声社 在庫僅少本フェア

が同時開催される運びとなりました。
紀伊國屋書店ご担当者さまの尽力もあって、
弊社のような小出版社としては異例の試みが実現しました!


0kinsyou_poster今回の〈全点フェア〉では 483点、
〈在庫僅少本フェア〉では 85点をまとめてご覧いただけます。
都内近郊にお住まいのみなさま、この年末年始は
弊社刊行物へのご声援をお願いいたします!

なお、今回のフェア特典として、
〈全点フェア〉では一部の著訳者のサイン本を、
〈在庫僅少本フェア〉では、在庫倉庫の掘り出し物を、
いずれもわずかな数ですが、ご用意しております。
数に限りがございますので、早めにお運びください!




00shikigoちなみに、昨年末に刊行した
ドイツの思想家・E・ブロッホの主著
『この時代の遺産』に寄せていただいた、
訳者・池田浩士さんによる
ご署名は画像のごとし。
この署名本は2冊限定です。
(画像はすべてクリックで拡大します)

 

カフカの夢分析@中沢新一書店(ジュンク堂池袋本店)

2009年 12月 17日

去る12月5日から来年6月6日まで、ジュンク堂書店池袋本店で
開催されている中沢新一店長の「中沢新一書店」(→)に、
弊社刊『カフカの夢分析』がチョイスされています(→)。

本書は、ドゥルーズ=ガタリによる文字通り画期的なマイナー文学論、
『カフカ』を、ガタリの側から裏書きするようなモティーフで、
比較的短い論文やエッセイ、ガタリが企画していたという
映画の撮影台本などで構成されています。
フェッリクス・ガタリという思想家をラディカルに
構成していたのが、じつはカフカという作家にほかならない、
ということがよくわかる、コンパクトな1冊です。
訳者の杉村昌昭さんの周到な解説もあわせて、ぜひご一読ください。

*弊社では来春、本書の編注者ステファヌ・ナドー氏の
アンチ・オイディプス論も刊行予定です。こちらも乞うご期待!

また、この「中沢新一書店」では、シクロフスキイ『レーニンの言語』や
『ミハイル・バフチン全著作』、シュタイナー関連書など、
弊社刊行物が25点リストアップされています。
近郊にお住まいの方は、ぜひ書店へお運びください。(編集部 naovalis)


dreamフェリックス・ガタリ/ステファヌ・ナドー編
杉村昌昭訳

カフカの夢分析

四六判上製162頁/定価1,800円+税
ISBN 978-4-89176-694-8 C 0010  好評発売中!






夢、精神分析、そして映画——。

それは予知夢か、あるいは悪夢だったのか?
現代思想最大の異端児、ガタリが遺したカフカ論、
およびカフカ映画のシナリオ断片をコンパクトに集成。
64の夢に導かれた新たなカフカが、いま、ここから〈起働〉する。

 

編集部通信(So)

2009年 12月 16日

水声社では今年6月に、パリでのどん底生活とユニークな交遊を綴った
自伝的小説『パラダイスの乞食たち』(→)を刊行しましたが、
詩人、水彩画家、編集者でもあった著者のアーヴィング・ステットナーは
晩年、日本で生活し、様々な人たちとの文化的交流がありました。

ステットナーが編集・出版するリトルマガジン『ストローカー』には、
生前のヘンリー・ミラーも寄稿し、日本人も参加しています。
ステットナーの友人で映画監督の松下俊文氏もこの前衛的な雑誌に
寄稿していたそうですが、このたび、南米ボリビアで撮影した新作映画、
『パチャママの贈りもの』(→ 日本・アメリカ・ボリビア合作)が
ロードーショー公開されるはこびになりました。

まずは、12月19日(土)より東京渋谷のユーロスペース(→)で上映されますが、
面白そうなので私も足を運んでみようかと思っています。