『神話の詩学』が日本翻訳出版文化賞を受賞


小社が今年1月に刊行した『神話の詩学』(エレアザール・メレチンスキー著、津久井定雄、直野洋子訳)に対して、日本翻訳家協会(岩淵達治理事長)より第43回日本翻訳出版文化賞が授与されました。

この賞は、「その年度の最も優れた翻訳書を出版した出版社」に対して、日本翻訳家協会より与えられるもので、小社は過去にも、『セリーヌ伝』(フレデリック・ヴィトゥー著、権寧訳)で受賞したことがあり、今回、10年ぶり2度目の受賞ということになります。翻訳者の2先生、選考にあたられた方々および同協会に感謝いたします。
なお、今回は、小社とともに教文館(『宣教師ニコライの全日記』全9巻、ニコライ・カサートキン著、中村健之介監訳、清水俊行・長縄光男・安村仁志他訳)、八月舎(『チャペック戯曲全集』カレル・チャペック、ヨゼフ・チャペック著、田才益夫訳)、(財)大同生命国際文化基金(『地獄の一三六六日――ポル・ポト政権下での真実』オム・ソンバット著、岡田知子訳)の3社も同時に受賞しました。
また、第44回日本翻訳文化賞(こちらは翻訳者に対して与えられる)は、金井裕先生(『カイエ 1957-1972』シオラン著、法政大学出版局)に与えられました。



[第43回日本翻訳出版文化賞]
『神話の詩学』
エレアザール・メレチンスキー 津久井定雄+直野洋子訳
プロップの《再発見》の立役者ともいうべきロシア神話学の泰斗が、レヴィ=ストロース、フライ、キャンベル等の神話理論を詳細に検討したのち、神話の古典的諸形態の構造と生成、さらには二十世紀文学における神話主義(ジョイス、カフカ等)の考察と位置づけを試みる。
A5判上製563頁 7000円+税


[第33回日本翻訳出版文化賞]
『セリーヌ伝』
フレデリック・ヴィトゥー 権寧訳
『夜の果ての旅』、『なしくずしの死』などの作品で知られる「反ユダヤ」的な「ファシスト」作家セリーヌ。「自伝的」著作や多くの書簡・証言等をもとに、これまでの定説・伝説を覆す画期的評伝。
A5判上製684頁+別丁図版16頁 8000円+税