小島信夫の2作品、刊行


昨年10月に惜しまれつつ世を去った、戦後日本の最大のアヴァンギャルド作家、小島信夫の本を2冊、同時に刊行しました。一方は書き下ろし、もう一方は語り下ろしの新著です。老いてますます盛んな実験精神は驚くべきものです。ご堪能下さい。



『小説の楽しみ』
稀有の実験精神によって戦後文学を領導してきた著者がシェイクスピア、セルバンテスからチェーホフ、カフカ、ベケット、ピーター・ブルックまでを縦横に論じながら、現代における〈小説の自由〉〈小説の可能性〉に肉迫する、白熱の語り下ろし。
4/6判上製146頁 1500円+税


『書簡文学論』
「アベラールとエロイーズ」から「パミラ」「危険な関係」「貧しき人々」「チェーホフの手紙」「チャリング・クロス街84番地」そして自作「女流」まで、古今東西の書簡文学、書簡体小説を、闊達自在に読み解く、書簡体による書簡体小説論。書き下ろし。
4/6判上製181頁 1800円+税


〔関連書〕
『小島信夫を再読する』 水声通信�号[〇五年十二月号]
私小説的な装いのもとに、一貫してメタフィクショナルで実験的な作品を発表し続けてきた著者へのオマージュ。執筆=小島信夫、大庭みな子、三浦清宏、堀江敏幸、千石英世、中村邦生、芳川泰久、斎藤環、茂木健一郎他
A5判並製158頁 1000円+税