中村真一郎コレクション
城北綺譚 | 《ある奇蹟的な愛の生涯を通して,「僕」がおのずから戦前日本の文明の歪みを見とどけるかたちになるように, 中村真一郎はこの小説を書いた。つつましい情熱の純愛物語と直截な文明批評との結合。愛の小説は,こうしてすこし位相をずらすと文明批評の小説になる。》(菅野昭正) 時代と家に翻弄されて人生を狂わせた老人の封印された忘れ得ぬ恋。新発見の遺稿の初の単行本化。 |
A5判上製170頁 1800円+税 |
日本古典にみる性と愛 | 《中村真一郎氏が文学批評家, エッセイストとしてその魅力を遺憾なく発揮したのは, 日本古典を縦横に語るときである。小説の実作者としての独自の視点からその深く愛する日本古典を楽しげに語るとき, その筆先から生まれる古典評論は, この文学者ならではの独自の強い輝きを放っている。》(沓掛良彦) 記紀の世界から江戸の歌舞伎まで, 日本の性愛史が鮮やかに浮かび上がる愛の古典文学論。 |
A5判上製240頁 2500円+税 |
全ての人は過ぎて行く | 《わたしは1949年に東京大学の仏文科に入り, そこで30歳をこえてまもない新進作家の中村真一郎講師に出会い, デュアメルやジロドゥーの小説をめぐる講義を聴いた。その頃の先生の私生活も, この本にはいろいろと出て来る。大きなブライアーのパイプをつねに手にした, 長身の, スマートな先生だった。》(飯島耕一) 最晩年の自伝「私の履歴書」と連作エッセイ「全ての人は過ぎて行く」を収める。 |
A5判上製300頁 3000円+税 |
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